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広島高等裁判所松江支部 平成12年(行コ)7号 判決 2001年3月07日

島根県益田市<以下省略>

控訴人兼附帯被控訴人(以下「控訴人」という。)

島根県浜田市<以下省略>

被控訴人兼附帯控訴人(以下「被控訴人」という。)

株式会社倉本組

同代表者代表取締役

同訴訟代理人弁護士

津田和美

浅田憲三

松江市<以下省略>

被控訴人

Y1

同訴訟代理人弁護士

松原三朗

主文

1  本件控訴をいずれも棄却する。

2  本件附帯控訴に基づき,原判決中被控訴人株式会社倉本組敗訴部分を取り消す。

3  控訴人の被控訴人株式会社倉本組に対する請求を棄却する。

4  訴訟費用中当審において生じた費用並びに原審において控訴人に生じた費用の5分の4及び被控訴人Y1に生じた費用を控訴人の負担とし,原審において控訴人に生じたその余の費用及び被控訴人株式会社倉本組に生じた費用を被控訴人株式会社倉本組の負担とする。

事実及び理由

第1当事者の求めた裁判

1  控訴

(1)  控訴人

① 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。

② 被控訴人株式会社倉本組(以下「被控訴人会社」という。)は,島根県に対し,320万円及びこれに対する平成5年9月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

③ 被控訴人Y1(以下「被控訴人Y1」という。)は,島根県に対し,390万円及びこれに対する平成5年9月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

④ 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人らの負担とする。

⑤ 仮執行宣言

(2)  被控訴人ら

① 本件控訴をいずれも棄却する。

② 控訴費用は控訴人の負担とする。

2  附帯控訴

(1)  被控訴人会社

① 原判決中被控訴人会社敗訴部分を取り消す。

② 控訴人の被控訴人会社に対する請求を棄却する。

③ 訴訟費用は第1,2審とも控訴人の負担とする。

(2)  控訴人

① 本件附帯控訴を棄却する。

② 附帯控訴費用は被控訴人会社の負担とする。

第2事案の概要

次のとおり補正するほか,原判決4頁1行目から21頁10行目までのとおりであるから,これを引用する。

原判決5頁3行目の「争いのない事実」の次に「等」を,同9行目の「者である。」の次に「(争いのない事実)」を,6頁9行目の「「本件公金支出」という。)。」の次に「(争いのない事実)」を,7頁8行目「通知をした。」の次に「(争いのない事実)」をそれぞれ加え,同行目の次に改行して次のとおり加える。

「4 原審裁判所は,平成12年3月15日,被控訴人会社は,島根県に対し,70万円及びこれに対する平成5年9月30日から支払済みまで5分の割合による金員を支払え,という判決を言い渡した。(当裁判所に顕著な事実)

5 被控訴人会社は,本件控訴後の同年4月10日,同判決で命ぜられた金員を支払う旨申し出て口頭の提供をしたところ,島根県は,その受領を拒絶した。そこで,被控訴人会社は,同年5月12日,島根県を被供託者として,松江地方法務局に対し,上記70万円及びこれに対する平成5年9月30日から平成12年4月10日(口頭の提供の日)まで年5分の割合による遅延損害金22万8552円(合計92万8552円)を弁済のため供託した。(略)」

第3争点に対する判断

1  当裁判所は,控訴人の請求はいずれもすべて失当であると判断する。その理由は,次のとおり補正するほか,原判決22頁1行目から48頁3行目までのとおりであるから,これを引用する。

(1)  原判決26頁1行目の「八ないし二〇,」の次に「24の1・2,25の1ないし4」を,同行目の「原告本人」の前に「同B,」をそれぞれ加える。

(2)  原判決41頁7行目の「認めることができるのであり,」から42頁1行目までを次のとおり改める。

「認めることができ,そうすると,島根県は,被控訴人会社に対し,同70万円及びこれに対する平成5年9月30日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払請求債権を取得したところ,同債権は,原判決言渡し後の前記弁済供託により消滅したこととなる。したがって,控訴人が,島根県に代位して,被控訴人会社に対してした地方自治法242条の2第1項4号後段に基づく請求は理由がないこととなる。」

2  よって,本件控訴は失当としていずれも棄却し,原判決中控訴人の被控訴人会社に対する請求を一部認容した部分は不当であることとなったから,本件附帯控訴に基づきこれを取り消し,控訴人の被控訴人会社に対する請求を棄却する。

(裁判長裁判官 前川豪志 裁判官 石田裕一 裁判官 植屋伸一)

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