大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

広島高等裁判所松江支部 昭和26年(う)141号 判決

賭博開張図利罪は犯人が利益を得る目的を以つて自らその主宰者となり賭博をさせる場所を開設することによつて直ちに成立し右要件以外は所論の如く賭場の整理、賭銭博奕行為の進行指図等の進行指図等の点について支配的立場にあることを示す行為をすることを要しないから同罪を断ずるにあたり所論の事実を判示しこれに対する証拠を示す必要がないと同時にいやしくも犯人が寺銭を徴する目的を以て、賭博場を開設して賭博をなさしめた事実の存する以上自らその主宰者となり図利の目的を以つて賭博場を開帳したものと解するに十分である。ところで、原判決は被告人中本は原判示日時頃相被告人井上より同人居宅奥六畳の間を借受け賭房として中本定十郎外数名の賭客を集め骨子二個、壼笊一個、碁石十数個、駒棒赤及白数百本の賭具及手提金庫一個を提供し、右両人等をしてこれを使用して金銭を賭し丁半と称する賭博をなさしめた事実及び被告人中本は賭者より勝金の約一割に相当する寺銭を徴する目的を以て賭場に居た事実を認定したものであつて、この事実は原判決挙示の証拠に徴しこれを認定するに十分であり、その間経験則乃至採証の法則違反も事実の誤認も認められない。そして原判決の認定した右事実によれば被告人中本は図利の目的を以て自らその主宰者となり賭博をさせる場所を開設したもので単に受動的に他人が賭博をなすの情を知つて賭房を提供したに過ぎないものではないことが判文上明らかである。されば、被告人中本の原判示所為は賭博開帳図利罪を構成し賭博幇助罪を構成するものでないと同時に原判決の右認定事実は被告人中本に対する賭博開帳図利罪の構成事実の判示として何等欠くるところがないというべきである。(後略)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!