大判例

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広島高等裁判所松江支部 昭和26年(う)9号 判決

記録によれば日高秀雄がサントニン錠五十錠入二十五瓶を原審に提出した形跡がなく原審がこれを領置した事実もないことは所論のとおりである。しかし、被告人平井英雄に対する第一回公判調書(記録一〇三丁及び一〇四丁)によれば原審検察官は原審公廷で証拠物として日高秀雄より領置した本件サントニン錠二十五瓶の取調を請求し原審はその証拠調をしたことが明らかであり、又被告人平井英雄外八名に対する併合第一回公判調書(記録五八六丁、五八七丁)によれば、原審は検察官より本件の証拠として提出された証拠物中日高秀雄より領置にかかるサントニン五十錠入二瓶を原審公廷で鑑定材料として原審鑑定人田中潔に交付した事実が明らかであるから原判決がその主文第四項において「日高秀雄の提出したサントニン錠五十錠入二十五瓶」と表示したその物件は、原判決の措辞簡略に過ぎ稍明確を欠く憾みがあるけれども、原審検察官から原審に提出された証拠物である日高秀雄より領置にかゝるサントニン五十錠入二十五瓶を指称するものと解することができる。そして裁判所が検察官の提出した証拠物を没収するには裁判所においてあらかじめこれを領置することを要しないものと解すべきであるから、原審が原審検察官の提出した証拠物で、裁判所において領置の手続をしていない右サントニン五十錠入二十五瓶を没収する言渡をしたことについては、所論のような違法はない。

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