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徳島地方裁判所 平成4年(わ)77号 判決 1992年7月15日

宣告日

平成四年七月一五日

裁判所

徳島地方裁判所

裁判官

原啓

検察官

小畑勝義

罪名

法人税法違反

被告人会社

本件の所在地

徳島市南新町一丁目八番地

法人の名称

有限会社エヌ・エンド・エム

代表者の住居

徳島市南末広町四番三一-一〇〇一号

代表者の氏名

記井正文

被告人

本籍

徳島県麻植郡鴨島町牛島二四三番地の一

住居

徳島市南末広町四番三一-一〇〇一号

職業

会社役員

氏名

記井正文

年齢

昭和一八年一月一日生

主文

被告人有限会社エヌ・アンド・エムを罰金一二〇〇万円に、被告人記井正文を懲役一年に各処する。

被告人記井正文に対し、この裁判の確定した日から三年間その刑の執行を猶予する。

訴訟費用は被告人有限会社エヌ・アンド・エム及び被告人記井正文の連帯負担とする。

(罪となるべき事実)

被告会社有限会社エヌ・アンド・エム(平成二年三月二五日以前の商号は有限会社ファッション・ファブリック・ハチマルロク)は、徳島県徳島市南新町一丁目八番地(平成二年三月二五日以前は徳島県徳島市伊賀町四丁目一〇番地の三)に本店を置き、衣料品の販売等を営むもの、被告人記井正文は、同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人記井は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上

第一 昭和六二年九月一日から同六三年八月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額は、三、六〇〇万一、六五三円であり、これに対する法人税額が一、四一四万八、五〇〇円であるにもかかわらず、昭和六三年一〇月三一日、徳島県徳島市幸町三丁目五四番地所在の所轄徳島税務署において、同税務署長に対し、所得金額が七一九万五、三〇二円であり、これに対する法人税額が二一四万六、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正行為により、正規の法人税額と右申告税額との差額一、二〇〇万一、九〇〇円を免れ

第二 昭和六三年九月一日から平成元年八月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額は七、一〇八万一、三五六円であり、これに対する法人税額が二、八八八万三、七〇〇円であるにもかかわらず、平成元年一〇月三〇日、前記徳島税務署において、同税務署長に対し、所得金額が四九九万四、四四一円であり、これに対する法人税額が一四八万七、九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正行為により、正規の法人税額と右申告税額との差額二、七三九万五、八〇〇円を免れ

第三 平成元年九月一日から同二年八月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額は四、八四三万八、五七七円であり、これに対する法人税額が一、八三四万八、六〇〇円であるにもかかわらず、平成二年一〇月三一日、前記徳島税務署において、同税務署長に対し、所得金額が七二二万二七七円であり、これに対する法人税額が一九四万七、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正行為により、正規の法人税額と右申告税額との差額一、六四〇万一、四〇〇円を免れ

たものである。

適用した罰条

一 罰条 各事業年度ごとに

法人税法一五九条一項(被告人会社については、さらに同法一六四条一項、一五九条二項)

一 刑種の選択 判示各罪につき所定刑中懲役刑を選択(被告人記井正文について)

一 併合罪の処理 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(被告人記井正文について、犯情の最も重い判示第二の罪の刑に加重する。)

刑法四五条前段、四八条二項(被告人会社について)

一 執行猶予 刑法二五条一項(被告人記井正文について)

一 訴訟費用 刑事訴訟法一八一条一項本文、一八二条

裁判所書記官 岡下宏美

(裁判官 原啓)

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