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新潟地方裁判所 昭和43年(わ)15号 判決 1969年1月31日

本店所在地

新潟市堀之内二九一番地

株式会社堀工務店

右代表者代表取締役

斎藤角平

本籍および住居

新潟市万代町一丁目二四四四番地一

会社員(右会社元代表取締役)

堀博

昭和四年七月一九日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官斎藤正吉出席のうえ審理をして次のとおり判決する。

主文

被告会社を罰金二五〇万円に処する。

被告人堀博を懲役四月に処する。

被告人堀博に対しこの裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は資本金二五〇〇万円(昭和四二年一月六日までは一〇〇〇万円)を有し、本店を新潟市堀之内二九一番地に置き総合建設事業等を営んでいる株式会社であり、被告人堀博は被告会社の設立された昭和三八年四月一一日から昭和四一年九月七日までの間その代表取締役としてその業務全般を統轄していた者であるが、被告人堀博は被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、工事金収入の一部を除外し、架空材料費を計上しあるいは外注費を水増し計上するなどの不正の行為により所得の一部を秘匿したうえ、

第一、昭和三九年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、被告会社の実際の所得金額は二五五九万七〇五七円、その正規の法人税額は九五二万四四〇円であつたにもかかわらず、昭和四〇年二月二五日所轄新潟税務署において同税務署長に対し、右事業年度における所得金額は五八一万二七〇四円、その法人税額は二〇〇万六四〇〇円である旨虚偽の確定申告書を提出して法定の納付期限を徒過し、もつて被告会社の右事業年度の前記正規の法人税額と、右確定申告した法人税額との差額七五一万六〇四〇円につき法人税を免れ、

第二、昭和四〇年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において被告会社の実際の所得金額は一九六八万五八三六円、その正規の法人税額は六九九万六七九〇円であつたにもかかわらず、昭和四一年二月二五日所轄新潟税務署において同税務署長に対し、右事業年度における所得金額は六五七万三六三三円、その法人税額は二一五万一三五〇円である旨虚偽の確定申告書を提出して法定の納付期限を徒過し、もつて被告会社の右事業年度の前記正規の法人税額と右確定申告した法人税額との差額四八四万五四四〇円につき法人税を免れ

たものである。

(証拠の標目)

一、被告人堀博の当公判廷における供述

一、被告会社代表者斎藤角平の当公判廷における供述

一、被告人堀博の検察官に対する供述調書

一、被告人堀博に対する大蔵事務官の各質問てん末書

一、被告人堀博作成の各答申書

一、被告人堀博作成の各供述書

一、登記官作成の被告会社の登記簿の騰本

一、高橋紀美子の検察官に対する供述調書

一、高橋紀美子作成の答申書

一、高橋紀美子に対する大蔵事務官の質問てん末書

一、沼館敬三に対する大蔵事務官作成の質問てん末書

一、沼館敬三作成の答申書二通

一、大蔵事務官作成の証明書二通(自昭和三九年一月一日至昭和三九年一二月三一日および自昭和四〇年一月一日至昭和四〇年一二月三一日の各事業年度の法人税の確定申告書の写添付のもの)

一、大蔵事務官作成の株式会社堀工務店法人税脱税額計算書二通(自昭和三九年一月一日至昭和三九年一二月三一日のものおよび自昭和四〇年一月一日至昭和四〇年一二月三一日のもの)

一、丸田喜三郎、布施一男、五十嵐省二、桜沢信夫、今井鉄造、飯田嘉兵衛(二通)、佐藤有志栄、杉本陽治、黒川伍男、田村定、田中宏、高沢ケイ作成の各供述書

一、山中栄治、斎藤真衛(二通)、金井弥四郎、西村七郎、原孝一、阿部良司、西島慶二、飯田嘉兵衛、斎藤角平、作藤有志栄作成の各答申書

一、大蔵事務官作成の簿外預金など調査書

一、大蔵事務官作成の確認書二通

一、大蔵事務官作成の法人税決議書二通

一、大蔵事務官作成の「株式会社堀工務店に対する告発関係書類について」と題する書面

一、押収してある

1.総勘定元帳一冊-昭和三九年度のもの-(昭和四三年押第五八号の一)

2.総勘定元帳一冊-昭和三九年度のもの-(同号の二)

3.売上、現金、預金補助簿一冊-昭和三九年度のもの-(同号の三)

4.請負工事関係メモ一綴(同号の四)

5.手形内訳帳一冊-昭和三八年度のもの-(同号の五)

6.手形内訳帳一冊-昭和三九年度のもの-(同号の六)

7.金銭出納帳一冊-昭和四〇年度のもの-(同号の七)

8.仕入帳一冊-昭和四〇年度のもの-(同号の八)

9.総勘定元帳一冊-昭和四〇年度のもの-(同号の九)

10.総勘定元帳一冊-昭和四〇年度のもの-(同号の一〇)

11.銀行勘定帳一冊-昭和四〇年度のもの-(同号の一一)

12.銀行勘定帳一冊-昭和四〇年度のもの-(同号の一二)

13.裏金銭出納帳一冊-小型ノート-(同号の一三)

14.社長メモノート一冊(同号の一四)

15.補助簿工事台帳一冊(同号の一五)

16.請求書一綴(同号の一六)

17.手形内訳帳一冊-昭和四〇年度のもの-(同号の一七)

18.名刺一枚(同号の一八)

(法令の適用)

法律に照らすと、被告人堀博の判示第一の所為は昭和四〇年法律第三四号附則一九条、右改正前の法人税法四八条一項に、判示第二の所為は右改正後の法人税法一五九条一項に該当し、被告会社については被告人堀博が被告会社の業務に関して本件違反行為をしたものであるから判示第一および第二の所為につき右と同一の罰条を適用するほか判示第一の所為につき右改正前の法人税法五一条を、判示第二の所為につき右改正後の法人税法一六四条一項を適用し、以上はいずれも刑法四五条前段の併合罪であるところ、被告人堀博に対してはいずれも所定刑中懲役刑を選択し、同法四七条本文、一〇条により重い判示第二の罪の刑に同法四七条但書の制限内で法定の加重をした刑期の範囲内で同被告人を懲役四月に処し、情状刑の執行を猶予するのを相当と認め同法二五条一項によりこの裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予し、被告会社に対しては同法四八条二項により各所定の罰金額を合算した金額の範囲内で被告会社を罰金二五〇万円に処することとする。

そこで主文のとおり判決する。

(裁判官 渡辺達夫)

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