新潟地方裁判所三条支部 平成9年(ワ)23号 判決 2000年4月25日
新潟県三条市大字下谷地六二番地
原告
株式会社ヤマトキ製作所
右代表者代表取締役
小林時男
右訴訟代理人弁護士
渡辺隆夫
右補佐人弁理士
近藤彰
新潟県三条市南新保六番二四号
被告
株式会社白幡商会
右代表者代表取締役
白幡藤治郎
右訴訟代理人弁護士
山崎隆夫
右補佐人弁理士
庄司建治
主文
一 被告は、別紙物件目録(一)記載の物件を製造販売してはならない。
二 被告は原告に対し、金二七万七六一〇円及び平成九年四月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
三 原告のその余の請求を棄却する。
四 訴訟費用は、これを三分し、その一を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。
五 この判決は、第二項に限り仮に執行することができる。
事実及び理由
以下、別紙物件目録(一)記載の物件を「イ号物件」、同目録(二)記載の物件を「ロ号物件」という。
第一 請求
一 被告は、イ号物件及びロ号物件を製造販売してはならない。
二 被告は原告に対し、一三五万円及び訴状送達の日の翌日(平成九年四月二三日)から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
第二 事案の概要
一 争いのない事実
1 原告は建築用金属製品の設計、製作、販売等を業とする会社であり、被告は建築用金物及び板金金物の卸販売等を業とする会社である。
2 原告は左記の実用新案権(以下「本件実用新案」といい、その考案を「本件考案」という。)の権利者である(別紙甲二号証参照)。
(一) 出願日 平成五年五月一九日
(二) 出願番号 平成五年実用新案登録願第三一六五六号
(三) 登録日 平成八年四月九日
(四) 登録番号 第二五〇三二八五号
3 本件考案の構成は、左記の特徴を有する屋根用雪止め金具である。
(一) 構成要件A
屋根への装着部とアングル止着部とを備える。
(二) 構成要件B
アングル止着部は、雪止め用のアングル水平板部を載置する載置部、載置部上方の頂板部及び嵌入部(載置部と頂板部で形成された空間)で構成される。
(三) 構成要件C
嵌入部内に、嵌入したアングルを載置部側に押圧するバネ板を備える。
4 本件考案の作用効果は左記のとおりである。
本件考案の金具は屋根に装着されるものである。右金具に雪止めアングルを取り付けて屋根の積雪の落下を防止するものである。嵌入部に圧入された雪止めアングルの水平板部は、嵌入部内のバネ板の作用で、載置部に押圧されて強く挟持されることになる。これにより、雪止めアングルの抜けが防止でき、雪止めアングルの装着も容易となる。
二 原告の主張
1 被告は、平成七年秋ころからイ号物件及びロ号物件を製造販売している。
平成九年四月以降もイ号物件及びロ号物件合わせて年間三万個の割合で販売を続けている。
2 イ号物件及びロ号物件は、本件考案の構成要件全てを備えており、本件実用新案を侵害するものである。
3 損害等についての変更前の原告の主張
被告は、平成九年三月末日までに、イ号物件及びロ号物件合わせて三万七五〇〇個を製造販売した。
これにより、被告は、少なくとも合計一三五万円の利益(一個の販売価格一八〇円、利益率二〇パーセント)を得るとともに、原告に対し同額の損害を与えた。
4 損害等についての変更後の原告の主張
(一) 平成七年一月七日(本件考案の内容を記載した書面を被告に提示して警告した日)から平成八年四月八日(本件実用新案登録日前日)までの被告のイ号物件及びロ号物件の販売については、原告は被告に対し、実用新案法(旧法)一三条の三に基づく補償金の支払請求をする。
実施料相当額は、イ号物件については、福島金属商事株式会社に対しての販売については単価が一八〇円であるから実施料相当額は一〇円、株式会社二口金物に対しての販売については単価が五〇〇円であるから実施料相当額は二五円、ロ号物件については福島金属商事株式会社に対して販売したイ号物件と同様に実施料相当額は一〇円が相当である。
(二) 平成八年四月九日(本件実用新案登録日)以降の被告のイ号物件及びロ号物件の販売については、実用新案法(旧法)二九条に基き、被告が得た利益の額をもって原告の損害額と推定する。
(三) 右(一)、(二)より、別紙計算表(1)記載のとおりイ号物件についての補償金の額は二八万七六一〇円、損害額は四万七五二〇円、別紙計算表(2)記載のとおりロ号物件についての補償金の額は一一万八一六〇円、損害額は二三一万五五八〇円となる。
三 被告の主張
1 被告は、イ号物件を本件考案の登録日(平成八年四月九日)以前の平成七年五月二九日以降、その製造販売をしていない。
2 本件考案とロ号物件は、構成要件、作用及び効果の点において著しく相違しており、ロ号物件は本件考案の技術的範囲に属さない。
したがって、ロ号物件の製造販売は本件実用新案を侵害しない。
3 被告は、ロ号物件につき左記の実用新案権(以下「別件実用新案」といい、その考案を「別件考案」という。)の権利を有する(別紙乙一号証参照)。
(一) 出願日 平成七年五月二九日
(二) 出願番号 平成七年実用新案登録願第六一七八号
(三) 登録日 平成七年九月一三日
(四) 登録番号 第三〇一八七二一号
第三 当裁判所の判断
一 イ号物件が本件考案の技術的範囲に属するか否かについて
1 証拠(甲五、七)によれば、イ号物件は、雪止めアングルを使用する屋根用雪止め金具であって、左記の構成要件から成り立っており、その作用効果は、アングルを嵌入部に差し込んで金具に装着し、差し込み装着に載置してバネ板がアングルを載置部に押圧することによりアングル装着作業が容易になる点にあることが認められる。
(一) 構成要件a
屋根への装着部とアングル止着部とを備える。
(二) 構成要件b
アングル止着部は、雪止め用のアングル水平板部を載置する載置部と、載置部上方の頂板部と、載置部と頂板部で形成された空間の嵌入部で構成される。
(三) 構成要件c
嵌入部に嵌入したアングルを載置部側に押圧するバネ板を、嵌入部内に設けている。
2 おもうに、構成要件Aにおける屋根への装着部の形状・構造、右装着部とアングル止着部の連結部の形状・構造、構成要件Bにおけるアングル止着部、アングル水平板部、載置部、頂板部、嵌入部の形状・構造、構成要件Cにおけるバネ板の形状・構造、アングルを載置部側に押圧する態様は、いずれも具体的に特定されていない。
これらのことより、構成要件aは構成要件Aを、構成要件bは構成要件Bを、構成要件cは構成要件Cをいずれも充足しているものといえる。作用効果も嵌入部に圧入された雪止めアングルの水平板部が、嵌入部内のバネ板の作用で、載置部に押圧されて強く挟持されることになり、雪止めアングルの抜けが防止でき、雪止めアングルの装着が容易となる点において共通である。
よって、イ号物件は本件考案の技術的範囲に含まれるものといえる。
二 ロ号物件が本件考案の技術的範囲に属するか否かについて
1 証拠(甲六)によれば、ロ号物件は、雪止めアングルを使用する屋根用雪止め金具であって、左記の構成要件から成り立っていることが認められる。
(一) 構成要件d
屋根への装着部とアングル止着部とを備える。
(二) 構成要件e
アングル止着部は、雪止め用のアングル水平板部を載置する載置部と、載置部上方の頂板部と、載置部と頂板部で形成された空間の嵌入部で構成される。
(三) 構成要件f
嵌入部に嵌入したアングルを載置部側に押圧するバネ板を、嵌入部内に設けている。
同時に、アングルの抑えをなす押圧支持体の一端がバネ板となっているとともに、他端は、受板部に添って上方に突出し、使用状態においては、押圧支持体の右突出部分を打撃折曲して、アングル直立板部の裏側に折り曲げる。
2 右1より、構成要件dは構成要件Aを、構成要件eは構成要件Bをいずれも充足しているものといえる。
もっとも、構成要件fは上方突出部分が存在する点で構成要件Cと異なる。
おもうに、本件考案は、雪止めアングルの離脱防止手段を備えた雪止め金具に関するものであり、証拠(甲二)によれば、離脱防止手段としては、従来の公知の技術では針金を使用したり、二個の帯金を連結したり、折曲可能な薄い金属板を使用したりしていたところ、そのような技術では針金の結着作業、帯金の連結作業、薄い金属板の折曲作業が必要となり、作業性が劣るため、このような作業を必要としない作業性に優れたものとして本件考案が産み出されたことが認められる。
とするならば、従来の作業性の面で劣った離脱防止手段は、そもそも本件考案の技術的範囲には含まれないものといえる。そして、ロ号物件の構成要件fの上方突出部分は、その性格上突出した状態での使用は想定されておらず、常に折り曲げるという作業をすることによって雪止めアングルの離脱防止を図るものである以上、ロ号物件は本件考案の技術的範囲には含まれないものといえる。
三 被告が、イ号物件を製造販売した事実があるか否かについて
1 証拠(甲二三の一と二)によれば、原告は、平成七年一月七日に被告に到達した書面にて、イ号物件の製造販売が本件考案の技術的範囲に属する旨の通告をしたことが認められる。
右通告は、出願公開があった後に実用新案登録出願人である原告が、実用新案登録出願に係る考案の内容を記載した書面を被告に提示して警告した(実用新案法(旧法)一三条の三)ものといえる。
2 証拠(甲七、二二、乙一一)及び弁論の全趣旨によれば、被告は、平成七年一月七日以降も平成八年三月五日まで、イ号物件を左記のとおり製造販売し、その後、ロ号物件の製造販売に切替えたことが認められる。右イ号物件の製造販売は業としての本件考案の実施に該当するものといえる。
平成七年一月 一九〇〇個
二月 三五〇〇個
三月 三〇〇〇個
四月 二五〇〇個
五月 二〇〇〇個
六月 二〇〇〇個
七月 一三〇〇個
八月 八〇〇個
九月 二九〇〇個
一〇月 五〇〇個
一一月 一三〇〇個
一二月 二五〇〇個
平成八年一月 一〇〇〇個
二月 一二〇〇個
三月 一三六一個
合計 二七七六一個
3 右1、2より、原告は被告に対し、補償金(本件考案の実施において通常原告が受けるべき金銭の額に相当する額)の支払いを請求できるものといえる。
弁論の全趣旨より、右補償金の額は一個あたり一〇円(イ号物件の単価を一八〇円、実施料一〇円として計算)をもって相当と認める。
イ号物件の販売個数は二万七七六一個であるから補償金の額は二七万七六一〇円となる。
四 よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 小林元二)
物件目録(一)
一 図面の簡単な説明
第一図はイ号物件の全体斜視図、第二図はイ号物件の全体の側面図、第三図はイ号物件の使用状態の斜視図、第四図はイ号物件の使用状態の側面図である。
二 構造
後部に屋根装着部1を、先部に雪止めアングル装着部2を設けてなり、屋根装着部1は、薄金属板を装着対象の横葺屋根の折り返し部分に対応した折り返し形状とし、最後部に釘穴11を穿設している。雪止めアングル装着部2は、長尺金属板をコ字状に折曲して形成した折曲本体及び「状に折曲して折曲本体の全面部分と底面部分との間に溶接した載置体と、アングルの抑えをなすバネ板から構成される。折曲本体は、コ字状にして、上板部分が頂板部22となり、下板部分の端が屋根装着部の連結部24となっている。折曲本体と溶接している載置体は、その上方水平板部分が、アングルAの水平板部を載置する載置部21となっている。バネ板25は、頂板部22に鋲結され、載置部21と頂板部22との間の嵌入部23に、嵌入部に嵌入した雪止めアングルを載置部21側に押圧するように設けている。
三 使用方法
金具を釘等で止着して屋根上に取付け、雪止めアングルの水平板部を嵌入部23に圧入してアングルを保持する。
イ号物件の図面
第1図
<省略>
第2図
<省略>
第3図
<省略>
第4図
<省略>
物件目録(二)
一 図面の簡単な説明
第一図はロ号物件の全体斜視図、第二図はロ号物件の全体の側面図、第三図はロ号物件の使用状態の斜視図、第四図はロ号物件の使用状態の側面図である。
二 構造
後部に屋根装着部1を、先部に雪止めアングル装着部2を設けてなり、屋根装着部1は、薄金属板を装着対象の横葺屋根の折り返し部分に対応した折り返し形状とし、最後部に釘穴11を穿設している。雪止めアングルの装着部2は、長尺金属板を折曲して形成した折曲本体と、前部脚部と、アングルの抑えをなす押圧支持体から構成される。折曲本体の形状は、アングルAの水平板部を載置する載置部21Aと、載置部21Aの先部を折り返して設けた頂板部22Aと、頂板部22Aの後端を上方に折曲して設けた受板部26と、載置部21Aの後方に連設した後方脚部27とを備えるものである。前部脚部28は、折曲本体の載置部21Aの先部下面に下設している。押圧支持体は、受板部26に鋲結され、一端は、載置部21Aと頂板部22Aとの間の嵌入部23Aに、嵌入部に嵌入した雪止めアングルを載置部21A側に押圧するバネ板25Aとしており、他端は、受板部26に添って上方に突出させてなる。
三 使用方法
金具を釘等で止着して屋根上に取付け、雪止めアングルの水平板部を嵌入部23Aに圧入してアングルを保持し、更にアングルの直立板部を受板部26に添わせた状態で、押圧支持体の上方突出部分29を打撃折曲して、アングル直立板部の裏側に折り曲げる。
ロ号物件の図面
第1図
<省略>
第2図
<省略>
第3図
<省略>
第4図
<省略>
日木国特許庁(JP) 実用新案登録公報(Y2) 実用新案登録番号
第2503285号
発行日 平成8年(1996)6月26日 登録日 平成8年(1996)4月9日
Int.Cl.〓 識別記号 庁内整理番号 FⅠ 技術表示箇所
E04D 13/10 E04D 13/10 A
請求項の数2(全3頁)
出願番号 実願平5―31656 出願日 平成5年(1993)5月19日 公開番号 実開平6―83831 公開日 平成6年(1994)12月2日 実用新案権者 593021068 株式会社ヤマトキ製作所 新潟県三条市大字下谷地62番地 考案者 小林時男 新潟県三条市大字下谷地62番地 株式会社ヤマトキ製作所内 代理人 弁理士 近藤彰 審査官 鉄豊郎
【考案の名称】 屋根用雪止め金具
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 屋根への装着部と、アングル止着部とを備え、アングル止着部を、雪止め用のアングルの水平板部を載置する載置部と、載置部上方の頂板部と、載置部と頂板部とので形成された空間の嵌入部で構成した屋根用雪止め金具に於いて、嵌入部に嵌入したアングルを載置部側に押圧するバネ板を、嵌入部内に設けてなることを特徴とする屋根用雪止め金具。
【請求項2】 請求項第1項記載の屋根用雪止め金具に於いて、バネ板の基部を嵌入部入り口側に止着し、頂板部の内面に添って設けると共に、アングル押圧用の突出部分の入り口側が緩い傾斜面で、同奥側が強い傾斜面とし、且つ先端部分を嵌入部奥方に当接してなることを特徴とする屋根用雪止め金具。
【考案の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
【0001】本考案は、横葺屋根や瓦屋根等に使用する雪止め金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】雪止め金具は種々のものが知られているが、雪止めアングルを使用するものは基木的に屋根装着部と、アングルの嵌入部を有するアングル止着部から構成されている。またアングル止着部には、雪止めアングルが離脱しないような適宜な処置が施されている。
【0003】例えば実開昭58―67022号公報には針金での離脱防止手段が開示されており、特開昭58―168447号公報には二個の帯金を連結することでの離脱防止手段が開示されており、実開昭63―51033号公報には折曲可能な薄金属板での離脱防止手段が開示されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前記の雪止めアングルの離脱防止手段は必ずしも最適のものとはいえない。即ち針金を使用したものは針金の結着作業が必要で、帯金のものは帯金連結作業が必要で、また薄金属板のものは薄金属板の折曲作業が必要となる。そこで本考案は、作業性に優れたアングル離脱防止手段を備えた雪止め金具を提案したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案に係る屋根用雪止め金具は、屋根への装着部と、アングル止着部とを備え、アングル止着部を、雪止め用のアングルの水平板部を載置する載置部と、載置部上方の頂板部と、載置部と頂板部とので形成された空間の嵌入部で構成した屋根用雪止め金具に於いて、嵌入部に嵌入したアングルを載置部側に押圧するバネ板を、嵌入部内に設けてなることを特徴とするものである。
【0006】また特に前記のバネ板を、その基部を嵌入部入り口側に止着し、頂板部の内面に添って設けると共に、アングル押圧用の突出部分の入り口側が緩い傾斜面で、同奥側が強い傾斜面とし、且つ先端部分を嵌入部奥方に当接するように形成したことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】雪止めアングルの水平板部を嵌入部に圧入すると、アングル水平板部は嵌入部内でバネ板の作用で、載置部に押圧されて強く挟持されることになり、雪止めアングルの抜けを防止する。
【0008】
【実施例】次に本考案の実施例について説明する。雪止め金具は、屋根への装着部1とアングル止着部2とを備えてなり、装着部1は取り付け対象である屋根の構造に対応した形状、例えば横葺き屋根の場合は、その屋根板の形状と一致せしめた薄金属板11でその本体を形成し、本体11の適宜な個所に釘孔12を設けたものである。また一方雪止めアングルAの止着部2は雪止めアングルを「状に載置する載置部21と載置部21の上方に位置せしめた頂板部22とで嵌入部23を形成すると共に、、装着部1と連結する連結部24を設けたものである。
【0009】本考案は特にアングルの嵌入部23に雪止めアングルAを装着した際のアングル抜け止め作用をなすバネ板25を設けたものである。バネ板25は、その基部を嵌入部23入り口側における頂板部22に止着し、嵌入部23内の頂板部22に添って嵌入部23の奥方に向かって設けられ、その途中にアングル押庄部25aを形成し、更に先端部分25bは嵌入部23の奥部に当接し、先端が載置部21に衝突するようにし、更に前記押圧部23aは、入り口側が緩い傾斜面で、同奥側が強い傾斜面としたものである。
【0010】而して本考案の金具を屋根に取り付けた後、雪止めアングルAを「状態でその水平板部を嵌入部23に強く差し込むと、バネ板25の押圧部25aと載置部21とで挟持される。このときバネ板25は押圧部25aへ押し上げられた分嵌入部23の奥方に移行するが、バネ板25の先端部分25bはその前進が阻止されているので、押圧部25aの反発力は強くなって雪止めアングルAを堅固に挟持刷ることになる。
【0011】また特に押圧部25aの突出形状を入り口側が緩い傾斜面で、同奥側が強い傾斜面とすると、アングルAの差し込みは容易であるが、抜け方向の抵抗力がおおきくなる効果もある。
【0012】従って単に雪止めアングルAの水平板部を、金具の嵌入部23に圧入するのみで、雪止めアングルAを金具に装着できるものである。
【0013】また本考案は前記実施例に限定されるものではなく、例えば図3に例示するように、載置部21Aの上方に頂板部22Aを配すると共に頂板部22Aの基端上方にアングル垂直板の受板部26を連設して、雪止めアングルAをL状態で装着する金具に於いても、同様のバネ板25Aを具備させても良いものである。更に屋根装着部の構造も全く任意に定めることができるものである。
【0014】
【考案の効果】以上のように本考案は、雪止めアングルを使用する屋根用雪止め金具に於いて、アングルの水平板部の嵌入部に嵌入したアングルを強く挟持してアングルを金具に装着するようにしたもので、アングルの装着が非常に容易で、その作業性が優れているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の全体斜視図。
【図2】同使用状態の説明図。
【図3】本考案の別の実施例の正面図。
【符号の説明】
1 屋根装着部
2 雪止めアングル止着部
21 載置部
22 頂板部
23 嵌入部
25 バネ板
【図1】
【図2】
【図3】
<省略>
<省略>
<省略>
計算表(1)
イ号物件
<S型と記載されている物品>
販売先 期間 福島金属商事(株) (株)二口金物
7.1.7~H8.4.8 (補償金請求) <1> 27,261個 4,906,980円 <2> 600個 202,500円
H8.4.9~H9.3.31 (損害賠償) <3> 450個 237,600円
補償金
<1>27,261個×10円(実施料相当額)=272,610円
<2>600個×25円(実施料相当額)=15,000円
計 287,610円
額
37,600円(売上額)×0.2(利益率)=47,520円
計算表(2)
ロ号物件
<高山式と記載されている物品>
販売先 期間 福島金属商事(株 ) その他
H7.1.7~H8.4.8 (補償金請求) <4> 5,400個 1,188,000円 <5> 6,416個 1,064,640円
H8.4.9~H9.3.31 (損害賠償) <6> 24,720個 5,438,400円 <7> 48,580個 6,139,500円
補償金
<4>5,400個×10円(実施料相当額)=54,000円
<5>6,416個×10円(実施料相当額)=64,160円
計 118,160円
損害額
<6>5,438,400円(売上額)×0.2(利益率)=1,087,680円
<7>6,139,500円(売上額)×0.2(利益率)=1,227,900円
計 2,315,580円
日本国特許庁(JP) 登録実用新案公報(U) 実用新案登録番号
第3018721号
発行日 平成7年(1995)11月28日 登録日 平成7年(1995)9月13日
Int.Cl.〓 識別記号 庁内整理番号 FⅠ 技術表示箇所
E04D 13/10 Z
評価書の請求 有 請求項の数4 FD (全12頁)
出願番号 実願平7―6178 出願日 平成7年(1995)5月29日 実用新案権者 593013959 株式会社白幡商会 新潟県三条市南新保6番24号 考案者 白幡一久 新潟県三条市東新保23―7―5 代理人 弁理士 庄司建治
【考案の名称】 雪止めアングル支持金具
【要約】
【目的 】嵌挿しているL型アングルの一辺と他辺とを同時に押圧支持して離脱と、がたつきとを従来のものより尚一層強固に防止機能を発揮せしめるものである。
【構成】 L型アングルの嵌挿する一辺を押圧支持する 圧支持部と、嵌挿しない他辺をも折曲して外側より 支持する外方押圧支持部とを一体ものにして形成した金属板製押圧支持体を雪止めアングル支持部に取着したものである。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】L型雪止めアングル支持部と脚部とをもって構成する雪止めアングル支持金具または雪止め板とL型アングル支持部とをもって構成する雪止めアングル支持金具において、
前記L型雪止めアングル支持部を構成する水平状底支持部の端部を傾斜状に上方へ折曲せしめて傾斜部を、前記傾斜部の端部を前記水平状底支持部と平行状の水平部を順次延設して上方支持部を形成し、直角状に折曲する垂直部と水平部とからなる下方支持部を、前記上方支持部を構成する水平部の下方に垂直部の基部を前記水平状底支持部に、下方支持部を構成する水平部の端部を前記傾斜部に夫々熔着するL型雪止めアングル支持部を形成し、
上方支持部の水平部と下方支持部の水平部との間の嵌挿部に嵌挿するL型アングルの一辺を押圧する内方押圧支持部と、前記支持部を延設せしめてアングルの他辺を押圧する外方押圧支持部とを一体ものとして形成するアングル押圧支持体を別設し、内方押圧支持部を上方支持部の水平部の裏面に固着し、外方押圧支持部を水平部より飛出せしめたことを特徴とする雪止めアングル支持金具。
【請求項2】前記L型雪止めアングル支持部を、水平状底支持部の端部を傾斜状に折曲して傾斜部を、傾斜部の端部を平行状に延設して水平部を夫々形成し、前記水平部を直角状に前記水平状底支持部に接触するまで延設して垂直状内側支持部を、前記内側支持部を前記水平状底支持部に接触しながら直角状に延設する底辺部を、前記底辺部を直角状に上方へ延設する垂直状外側支持部を夫々延設し、前記底辺部と水平状底支持部とを熔着し、前記内外側支持部との間にアングル嵌挿部を形成し、L型アングルの一辺を押圧する内方押圧支持部と、前記支持部を延設せしめてアングルの他辺を押圧する外方押圧支持部とを一体ものとして形成するアングル押圧支持体を別設し、内方押圧支持部を垂直状外側支持部の裏面に固着し、外方押圧支持部を垂直状外側支持部より飛出せしめたことを特徴とする請求項1記載の雪止めアングル支持金具。
【請求項3】前記L型雪止めアングル支持部を、脚部に接着する接続部の前方を延設して下方水平部を、下方水平部の前方端部を折曲延設して下方水平部と平行状の上方水平部を夫々形成し、上方水平部の端部を直角状に折曲して垂直状支持部を形成し、上下両方水平部の間にアングル嵌挿部を形成し、L型アングルの一辺を押圧する内方押圧支持部と、前記支持部を延設せしめてアングルの他辺を押圧する外方押圧支持部とを一体ものとして形成するアングル押圧支持体を別設し、内方押圧支持部を上方水平部の裏面に固着し、外方押圧支持部を垂直状支持部より飛出せしめたことを特徴とする請求項1記載の雪止めアングル支持金具。
【請求項4】雪止め板の裏面に接続するアングル支持部の構成を、垂直状外側支持部の下端部を直角状に折曲して水平状底支持部を、前記底支持部の端部を直角状に折曲して取付け部を夫々形成し、前記底支持部の長さより若干短い長さの水平部の一端部を直角状に折曲して垂直状内側支持部を形成し、前記水平部の他端部を取付け部の内側面に接着し、且前記垂直状内側支持部の下端部を水平状底支持部に接着し、垂直状内外側支持部の間に形成されたアングル嵌挿部に嵌挿するL型アングルの一辺を押圧する内方押圧支持部と、前記支持部を延設せしめてアングルの他辺を押圧する外方押圧支持部とを一体ものとして形成するアングル押圧支持体を別設し、内方押圧支持部を垂直状外側支持部の裏面に固着し、外方押圧支持部を垂直状外側支持部より飛出せしめたことを特徴とする雪止めアングル支持金具。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案雪止めアングル支持金具の斜面図である。
【図2】本考案の別実施例の斜面図である。
【図3】本考案の別実施例の斜面図である。
【図4】本考案の別実施例の斜面図である。
【図5】本考案の別実施例の斜面図である。
【符号の説明】
a、b、c、d・・・雪止めアングル支持金具 1、17、25・・・L型雪止めアングル支持部 2・・・脚部 3・・・上方支持部 4、18、35・・・水平状底支持部 5、19・・・傾斜部 6、9、20、37・・・水平部 7・・・下方支持部 8・・・垂直部 10・・・金属板製アングル押圧支持体 11・・・嵌挿部 12・・・L型アングル 13・・・一辺 14・・・他辺 15・・・内方押圧支持部 16・・・外方押圧支持部 21、38・・・垂直状内側支持部 22・・・底辺部 23、34’・・・垂直状外側支持部 24、30、39・・・アングル嵌挿部
26・・・接続部 27・・・下方水平部 28・・・上方水平部
29・・・垂直状支持部 25’・・・支持脚 31・・・折曲部 32・・・挟着体 33・・・雪止め板 34・・・アングル支持部 36・・・取付け部 39・・・アングル嵌挿部 10’・・・凹部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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