旭川地方裁判所 昭和55年(わ)40号 判決 1980年5月02日
本店所在地
名寄市東二条南一〇丁目四〇番地
有限会社名寄土管製作所
右代表者代表取締役
田中恒男
本籍
名寄市東二条南一〇丁目二六番地
住居
同市東二条南一〇丁目二七番地
会社役員
田中恒男
大正六年二月二五日生
右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官別府英明出席のうえ審理して、次のとおり判決する。
主文
被告会社有限会社名寄土管製作所を罰金九〇〇万円に、被告人田中恒男を懲役一年に処する。
被告人田中恒男に対し、この裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告会社有限会社名寄土管製作所(代表者田中恒男)は、名寄市東二条南一〇丁目四〇番地に本店を置き、排水用土管等の製造販売を営業目的とする会社であり、被告人田中恒男は、同会社の代表取締役であるが、被告人田中恒男において、同会社経理担当者大平三郎と共謀のうえ、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上げの一部を除外するなどの方法により所得を秘匿したうえ、
第一 昭和五二年二月二八日、名寄市西一条北一丁目一一番地所在の所轄名寄税務署において、同税務署長に対し、昭和五一年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度の所得金額が三、一一七万一、三五七円で、これに対する法人税額は一、一五四万六、四〇〇円であったのに、所得金額が六六一万〇、八二五円で、これに対する法人税額は一七九万六、八〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって、不正の行為により法人税九七四万九、六〇〇円を免れ、
第二 昭和五三年二月二八日、前記名寄税務署において、同税務署長に対し、昭和五二年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度の所得金額が四、五〇五万〇、六三六円で、これに対する法人税額は一、七〇九万五、五〇〇円であったのに、所得金額が八一四万一、三一七円で、これに対する法人税額は二三五万七、三〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって、不正の行為により法人税一、四七三万八、二〇〇円を免れ、
第三 昭和五四年二月二八日、前記名寄税務署において、同税務署長に対し、昭和五三年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度所得金額が六、〇六七万七、七二〇円で、これに対する法人税額は二、三二五万九、〇〇〇円であったのに、所得金額が一、二六九万七、五四一円で、これに対する法人税額は四〇九万八、四〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって、不正の行為により法人税一、九一六万〇、六〇〇円を免れ
たものである。
(逋脱所得金額の確定内容は、別紙修正損益計算書〔No.1ないしNo.3〕、税額計算については、別紙税額計算書〔No.1、No.2〕に各記載のとおりである。)
(証拠の標目)
判示全部の事実につき
一 被告会社代表者兼被告人の当公判廷における供述
一 大蔵事務官作成の被告会社代表者兼被告人に対する質問てん末書九通
一 被告会社代表者兼被告人の検察官に対する供述調書
一 大蔵事務官作成の大平三郎に対する質問てん末書四通
一 大蔵事務官作成の佐藤勇、藤森順幸に対する各質問てん末書
一 検察事務官作成の報告書
一 大蔵事務官作成の調査事績報告書二〇通(検甲四、五、二三、三一、三三、四二ないし五四、五九、六〇号証)
一 藤森順幸作成の上申書二通
一 田中恒男、大平三郎共同作成の上申書
一 中林政二作成の答申書
一 山添誠治、堀江経三、高橋実、藤井興雄、関昌一、田原靖久、宮澤一幸、渡辺惇作成の各証明書
一 検察事務官作成の電話聴取書
一 押収してある法人税決議書綴一綴(昭和五五年押第三〇号の一)、受註出荷伝票綴一綴(同押号の八)、在庫表綴一綴(同押号の一三)、製造月報等綴一綴(同押号の一七)、製造月報綴一綴(同押号の一八)
判示第一の事実につき
一 押収してある元帳一冊(前同押号の二)、実際売上メモ綴一綴(同押号の五)、金銭出納帳一冊(同押号の九)、所得税源泉徴収簿等綴一綴(同押号の一九)
判示第一、第二の事実につき
一 押収してある製造月報綴一綴(前同押号の一五)
判示第二の事実につき
一 中野克己、堀井利光作成の各答申書
一 大蔵事務官作成の調査事績報告書(検甲二二号証)
一 押収してある元帳一冊(前同押号の三)、実際売上メモ綴一綴(同押号の六)、金銭出納帳一冊(同押号の一〇)、売掛金元帳綴一綴(同押号の一二)、所得税源泉徴収簿等綴一綴(同押号の二〇)
判示第二、第三の事実につき
一 押収してある製造月報一枚(前同押号の一四)、製造月報および領収書等綴一綴(同押号の一六)
判示第三の事実につき
一 押収してある元帳一冊(前同押号の四)、実際売上メモ綴一綴(同押号の七)、金銭出納帳一冊(同押号の一一)、所得税源泉徴収簿等綴一綴(同押号の二一)
(法令の適用)
一 被告会社
判示第一ないし第三の各事実
各法人税法一六四条一項、一五九条一項
併合罪加重 刑法四五条前段、四八条二項
二 被告人田中恒男
判示第一ないし第三の各事実
各刑法六〇条、法人税法一五九条一項
刑の選択 所定刑中懲役刑選択
併合罪加重 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に加重)
刑の執行猶予 刑法二五条一項
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 福島裕)
修正損益計算書
No.1
自 昭和51年1月1日
至 同 年12月31日
<省略>
修正損益計算書
No.2
自 昭和52年1月1日
至 同 年12月31日
<省略>
修正損益計算書
No.3
自 昭和53年1月1日
至 同 年12月31日
<省略>
税額計算書
No.1
(昭和51、52、53年度分)
昭和51年度
<省略>
昭和52年度
<省略>
No.2
昭和53年度
<省略>