大判例

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旭川家庭裁判所 事件番号不詳 決定

少年 M(昭一七・八・一三生)

主文

少年を中等少年院に送致する。

理由

(罪となるべき事実)

司法警察員の

一  昭和三十六年六月十七日付(深防少第三〇号)

二  同年十月二十五日付(沼犯第八八号)

各少年事件送致書記載犯罪事実のとおり

(適用すべき法令)

上記事実一につき刑法一八一条

二につき同法一七七条・一七九条

そこで、少年法二四条一項三号、少年審判規則三七条一項により、主文のとおり決定する。

(裁判官 中川幹郎)

別紙一

(犯罪事実)

(1) 昭和三十六年六月十七日送致深防少年第三〇号

少年は、その仲間のK、Sらを誘い、婦女子を強姦することを企て、昭和三十六年六月十五日午後八時頃小型四輪自動車を駆つて○○町から××町方面を物色していたところ、同日午後十時頃○○郡××町○号××線通に至つて、おりから農家の休日の夕刻を観劇や買物などで娯しんで帰宅の途次にあつたM子(当二十一年)、U子(当二十年)がその通行姿から年頃の娘であると認めるや、にわかに劣情を催しこれを姦淫しようと決意し、U子とともにそれぞれ自転車を走らせていたM子の左側からいきなり同女を押し飛ばしてよろめくところをうしろから抱きつき、「声を出したら恥になるぞ」とことばをかけて情交を迫つたが、M子の反抗もいよいよ募つてくるにしたがい、その頃同所付近約二〇〇メートルの間にわたつて、M子に対し、ときには、「おれのいうことを聞かなければ殺してしまう」、あるいは「あんまりさわぐと川の中に墜すぞ」などと申し向け、またときには、M子を足かけて倒し、または押し倒し、あるいはM子の顔面を殴打しなどして、しきりに脅迫、暴行を加え、ついに同所○号線と××線との交叉点から北方約一八五メートル先の道路傍草むらにおいて、完全にM子の抵抗を抑圧したうえ、強いて同女を姦淫したが、前記暴行によつてM子の左前腕部に治癒までに約一〇日を要する挫傷を負わせたものである。

(2) 昭和三十六年十月二十五日送致沼犯第八八号

少年は、昭和三十六年十月十八日午後六時三十分ごろ、○○郡○○町○○橋付近路上において、通行中のY子(十五年)を「ちよつと用事がある」と呼びとめ道路わきの草むらに引きづり込んで上から押えつけ強いて姦淫しようとしたが、同女の抵抗を受け、また折柄通過した自動車のライトに照らされたためその目的を遂げなかつたものである。

別紙二

一 少年の個性、

(イ) 知能は、軽い精薄である。(IQ=七四、新田中B式)従つて思慮分別がたりない。

(ロ) 性格的な偏りも強く、思慮の統制が不十分である。気どりやで、お人好しで誰とでも平気でつき合い、おだてられると、すぐ調子にのつてしまう。自己中心的で衝動的で思いつきだけで行動する方である。

(ハ) 性的発達に異常は認められない。

(ニ) 特別な精神異常症候は認められない。(日赤森医師診断)

一 環境

(イ) 家庭は、両親健在で、経済的にも問題無い。しかし家庭の躾教育の不徹底が、少年の性格的負因を生ぜしめたと考えられるし、父の性格(自己中心的)、父母の態度(いつまでも子供扱いしていた事)は問題である。

(ロ) また非行当時の職場環境は、土工夫達が、性的な話をたえずして居り、少年には、極めて刺激的であつた。

三 事件の問題点および経過

(イ) 三六・七・一九家裁二〇条送致決定(鑑別所、中等少年院意見、調査官、中等少年院意見)

理由 事案は計画的で、また被害者に畏怖の念を与える言動は数回に亘り、極めて悪質。

保護者が半ば強制的に、告訴を取下げさせている点、慰藉料を出していない等により被害者感情が非常に悪い。

(ロ) 三六・七・二六旭川地検にて身柄を釈放している。

(ハ) 三六・八・一五再送致(昭和三六年(少)第一一四五号)

理  由(1) 被害者が、これ以上呼出を受けたり、公判に出る事は困るという点(この事件については家族にも内緒にしているし、その他誰にも知られたくない。)

(2) 慰藉料五万円を出した点

(3) 公訴維持の見込が無い点

(ニ) 三六・一〇・四試験観察決定(調査官中等少年院意見)

三六・一〇・一八強姦未遂事件

三六・一〇・二四同逮捕

三六・一一・一家裁受理(昭和三六年(少)第一七八三号)

三六・一一・三昭和三六年(少)第一七八三号事件に同年(少)第一一四五号事件を併合

三六・一一・二七中等少年院送致決定(鑑別所、中等少年院意見、調査官、特別少年院意見)

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