大判例

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旭川家庭裁判所 昭和46年(家)398号・昭46年(家)395号・昭46年(家)397号・昭46年(家)396号 審判

〔主文〕事件本人両名の親権者を相手方から申立人に変更する。

本件申立中、事件本人両名の養育料の支払いを求める部分は、いずれもここれを却下する。

〔理由〕申立人は、主文第一項同旨、および相手方は申立人に事件本人らがそれぞれ満一八歳に達するまで毎月相当額の養育料を支払えとの審判を求め、その申立の実情として、「申立人と相手方は昭和四四年五月二二日協議離婚し、その際事件本人らの親権者を相手方と定め、相手方が養育することとした。しかし、事件本人らは申立人のもとで生活し、昭和四四年四月末日より昭和四五年一月まで毎月一万円計一〇万円の仕送りがあつたが、その後は何の音信もなく今日に至つており、事件本人のためにも親権者を相手方から申立人に変更するのが適当と考える。また、申立人は現在会社事務員として働いているが収入が少なく経済的に事件本人らの養育保護が充分にできないので、毎月相当額の養育料の支払を求める。」と述べた。

よつて按ずるに、当裁判所調査官および東京家庭裁判所調査官の各調査報告書その他本件記録にある資料によると、次の事実を認めることができる。

申立人と相手方は昭和四四年五月二二日に届出を了し事件本人両名の親権者を相手方と定めて協議離婚をしたのであるが、相手方はこれより数カ月前に単身上京し、昭和四五年二月一七日に米沢千鶴と婚姻の届出をなし、現在は上記住居に同女と二人で生活しており、親権者の変更には異存ない。相手方は現在○○株式会社に勤務し、月収手取り約六万円(ただし、同会社代表取締役小宮達雄作成の昭和四六年七月分給与証明書によると、同月分については差引現金支給額が四九、八四七円である。)を得ているが、アパート代だけで二万円かかり、扶養料を支払う意思が全くない。他方、事件本人は、申立人と相手方の離婚後引き続き申立人のもとで養育されており、申立人は、○○地主会に勤務し、月収手取り二五、〇〇〇円、児童手当二、八〇〇円、生活保護月額一九、七〇〇円合計四七、五〇〇円で中学三年と中学一年の事件本人と申立人の生活を支えている。

このような事情のもとにおいては、事件本人両名の親権者を相手方から申立人に変更するのが、最も事件本人の福祉に合するものと解されるので、事件本人両名の親権者を相手方から申立人に変更するが、養育料の支払いについては、これを却下するのが相当であると認める。けだし、現段階においては、相手方の生計も相当苦しく、養育料を支払う余裕はないと認めざるをえないばかりでなく、親の義務を履行しようとする意思の全くない者にたとえ僅少の養育料の支払いを命じても、申立人らとしては生活保護に頼ることを完全にやめることができるわけではなく、僅かな額だけ減額されるだけで申立人らは実質的には何の利益も受けないからである。

よつて、主文のとおり審判する。

(佐藤文哉)

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