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最高裁判所大法廷 昭和23年(れ)970号 判決 1949年5月04日

主文

本件上告を棄却する。

理由

辯護人大山菊治の上告趣意第一點について、

原判決はその前文に「當裁判所は志熊三郎關與の上審理を遂げ左の通り判決する」と記載してあって志熊三郎が檢事であることを示すべき官名の記載がないのである、舊刑訴第六九條第二項によれば公判に關與した檢事の官氏名を記載すべきことを要求しているのであるから前示の如く判決に檢事の官名を遺脱したことは右法絛に違反したものであることは所論のとおりである、然し右のような法律違反は絶對的上告理由に該らないのであるから、その違反が裁判に影響を及ぼす虞あるときに限り上告の理由とすることができるのである、從って右のような違法があっても事実上檢事が公判に關與し被告事件の陳述をなす等公判審理の手續が適法に施行された以上その違法は判決に影響を及ぼさないことが明白であるからこれを上告の理由となすことはできないのである。記録を調べてみると原審公判に檢事志熊三郎が立會いその審理手續が適法に施行せられたことは原審公判調書により明白であるから原判決書に立會檢事の官名の記載のないことを理由として原判決の破毀を求める論旨は採用できない。(その他の判決理由は省略する。)

仍って刑訴施行法第二絛、舊刑訴第四四六絛により主文の通り判決する。

この判決は(中略)裁判官全員一致した意見によるものである。(後略)

(裁判長裁判官 塚崎直義 裁判官 長谷川太一郎 裁判官 霜山精一 裁判官 井上 登 裁判官 栗山 茂 裁判官 真野 毅 裁判官 島 保 裁判官 齊藤悠輔 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村又介 裁判官 穂積重遠)

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