最高裁判所大法廷 昭和24年(新れ)5号 決定 1949年7月22日
主文
本件上告を棄却する。
理由
辯護人福田源一郎提出の上告趣意書は末尾添附別紙記載の通りである。
しかし上告の申立は刑訴第四〇五條に定めてある事由があることを理由とするときにこれを爲すことができるものであって、同法第四一一條は上告申立の理由を定めたものではない。同條の規定は前記第四〇五條各號に規定する事由がない場合であっても、上告裁判所が原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認める場合における、その職權による破棄の理由を定めたものである。しかるに本件上告趣意は明らかに前記第四〇五條所定の事由に該當しないから、刑訴第四一四條、同第三八六條第一項第三號により裁判官全員の一致した意見で、主文の通り決定する。
(裁判長裁判官 塚崎直義 裁判官 長谷川太一郎 裁判官 沢田竹治郎 裁判官 霜山精一 裁判官 井上 登 裁判官 栗山 茂 裁判官 真野 毅 裁判官 小谷勝重 裁判官 島 保 裁判官 齋藤悠輔 裁判官 藤田八郎 裁判官 岩松三郎 裁判官 河村又介 裁判官 穂積重遠)