大判例

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最高裁判所大法廷 昭和23(れ)1492 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人神田静雄の上告趣意について。

しかし本件は旧刑訴法及び刑訴応急措置法によつて審理せらるべき事案であつて

所論刑訴法第三一九条の適用されない事案である。そして旧刑訴法及び刑訴応急措

置法の下においては、判決裁判所の公判廷における本人の自白は憲法第三八条第三

項及び刑訴応急措置法第一〇条第三項の「本人の自白」に当らないとすることは当

裁判所の判例とするところであるから論旨は採用することができない。(昭和二三

年(れ)第一六八号同年七月二九日大法廷判決及、昭和二三年(れ)第一五四四号、

同二四年四月二〇日大法廷判決参照)

被告人B、C、D、E、Fの弁護人高橋武夫の上告趣意について。

外国人登録令第一一条には「朝鮮人はこの勅令の適用については当分の間外国人

とみなす。」と規定されているから、同令による犯罪を構成するためには、朝鮮人

であればよいのであつて、朝鮮人である以上日本の国籍を有すると否とは問うとこ

ろではないのである。従て原判決が被告人等を孰れも「日本の国籍を有しない」と

表示した点は判決に影響のない無用のことを判示したに過ぎないものである。そし

て被告人等が朝鮮人であることは原審公判廷で夫々その本籍出生地を尋ねられたの

に対する被告人等の供述自体で明である。されば原判決が所論原審公判廷の被告人

等の供述を証拠としたのは正当であつて、所論のような違法はないから論旨は採用

することができない。

以上の理由により旧刑訴法第四四六条に従い主文のとおり判決する。

右は被告人Aの弁護人神田静雄上告趣意に対する、真野、斎藤、各裁判官の補足

意見及び塚崎、沢田、井上、栗山、小谷、穂積各裁判官の少数意見を除き裁判官の

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一致した意見である。

斎藤裁判官の補足意見及び塚崎、沢田、井上、栗山、小谷各裁判官の少数意見に

ついては前掲昭和二三年(れ)第一六八号同年七月二九日の大法廷判決に記載のと

おりであり、真野裁判官の補足意見及び穂積裁判官の少数意見は前掲昭和二三年(

れ)第一五四四号同二四年四月二〇日大法廷判決記載のとおりである。

検察官 橋本乾三関与

昭和二四年五月四日

最高裁判所大法廷

裁判長裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 井 上 登

裁判官 栗 山 茂

裁判官 真 野 毅

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 島 保

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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