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最高裁判所第一小法廷 平成3年(行ツ)37号 判決 1991年4月25日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人富岡健一、同瀬古賢二、同石田喜樹の上告理由について

特許の無効の審判手続において、審判請求人である被上告人が本件発明はその特許出願前日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明であると主張して提出した甲第三号証の原本たる刊行物の頒布された日時を、その審決取消訴訟において被上告人が新たに提出した証拠をもって認定し、甲第三号証の原本たる刊行物は、本件発明の特許出願日(昭和五一年四月一三日)より前である昭和四八年八月一五日既に国内に頒布された刊行物であるとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。所論引用の判例は、事案を異にし本件に適切でない。論旨は、ひっきょう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。

よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九八条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

(裁判長裁判官 味村 治 裁判官 大内恒夫 裁判官 四ツ谷厳 裁判官 大堀誠一 裁判官 橋元四郎平)

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