最高裁判所第一小法廷 平成8年(あ)15号 決定 1998年7月10日
主文
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
弁護人舩木秀信の上告趣意のうち、食品衛生法四条二号の規定の憲法三一条違反をいう点は、食品衛生法四条二号にいう「有害な物質」の意義が不明確であるということはできないから、所論は前提を欠き、その余は、違憲をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であり、被告人本人の上告趣意は、違憲をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。
なお、アブラソコムツが食品衛生法四条二号にいう「有害な物質」が含まれる食品にあたるとした原判決の判断は、正当である。
よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項本文により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 小野幹雄 裁判官 遠藤光男 裁判官 井嶋一友 裁判官 藤井正雄 裁判官 大出峻郎)