最高裁判所第一小法廷 平成8年(オ)2420号 判決 1999年4月22日
上告人
日鉄鉱業株式会社
右代表者代表取締役
吉田純
右訴訟代理人弁護士
山口定男
関孝友
三浦啓作
松崎隆
奥田邦夫
被上告人
今田智明
(ほか、三一名)
右三二名訴訟代理人弁護士
別紙被上告代理人目録(一)記載のとおり
被上告人
石川シズエ
右訴訟代理人弁護士
別紙被上告代理人目録(二)記載のとおり
右当事者間の福岡高等裁判所平成六年(ネ)第一〇七〇号、同七年(ネ)第一二〇号損害賠償請求事件について、同裁判所が平成八年七月三一日に言い渡した判決に対し、上告人から上告があった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人山口定男、同関孝友、同三浦啓作、同松崎隆、同奥田邦夫の上告理由第一点、第六点及び第九点について
所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯するに足り、右事実関係の下においては、被上告人ら元従業員は上告人の安全配慮義務違反によりじん肺に罹患したものというべきであり、上告人の責任を限定すべき旨の上告人の主張は失当である。これと同旨の原審の判断は是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は採用することができない。
その余の上告理由について
所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。
よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 大出峻郎 裁判官 小野幹雄 裁判官 遠藤光男 裁判官 井嶋一友 裁判官 藤井正雄)
被上告代理人目録(一) 森永正
(ほか、五一名)
被上告代理人目録(二) 森永正
(ほか、四九名)