最高裁判所第一小法廷 昭和23年(れ)1962号 判決 1952年12月04日
主文
本件再上告を棄却する。
理由
弁護人小林直人の再上告趣意について。
判決裁判所の公判廷における被告人の自白は、憲法三八条三項にいわゆる「本人の自白」に含まれないと解すべきこと並びに右見解が所論の新刑訴三一九条の規定と矛盾するものでないことは、既に屡々当裁判所大法廷の判示するところである(判例集六巻六号八〇六頁以下並びにそれに引用されている多数の判例参照)。されば、所論は、採用し難い。
よって、旧刑訴四四六条に則り、主文のとおり判決する。
この判決は、裁判官沢田竹治郎の反対意見(前掲判例参照)を除き裁判官全員一致の意見によるものである。
(裁判長裁判官 岩松三郎 裁判官 沢田竹治郎 裁判官 真野 毅 裁判官 斎藤悠輔)