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最高裁判所第一小法廷 昭和27年(あ)1668号 決定 1953年5月21日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人平岡義方の負担とする。

理由

被告人露木晴好の弁護人吉田吉四郎の上告趣意は、量刑不当の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また、被告人平岡義方の弁護人田中弥吉の上告趣意は、原審弁護人の控訴趣意を援用するに過ぎないものであって、何等具体的な上告理由を示していないから、適法な上告理由と認め難い。(そして、第一審判決は、被告人並びに弁護人が証拠とすることに同意した供述調書を証拠としたものであること記録上明らかであるから、訴訟法違反は認められないし、また、憲法三七条二項は、裁判所が被告人側から申請した証人は不必要と思われる者まですべて喚問しなければならない義務を認めたものでないから、証人申請を却下したからといって違憲といえないこと当裁判所大法廷の判例とするところであり、また、第一審においては供述調書の原本を証拠調し且つ第一審判決はその原本を証拠としたもので、ただ裁判所の許可を得てその写を記録に添付したに過ぎないことこれまた記録上明白であるから、訴訟法違反も認められない。)また記録を調べても本件につき同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条(被告人平岡義方のみに対し)により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 真野 毅 裁判官 岩松三郎 裁判官 入江俊郎)

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