最高裁判所第一小法廷 昭和27年(オ)188号 判決
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〔要旨〕一、造作買取代金債権は造作に関して生じた債権であり、建物に関して生じた債権ではないから、これにより建物につき留置権を行使してその明渡を拒み得ない。
二、解約申入により有効に賃貸借が解除されたものとするためには、借家法第一条ノ二にいう正当事由は、おそくも右解除されたとする時から六月前当時において存することを要するものと解すべきである。
〔説明〕一の判示は、従来の最高裁判例を踏襲したものである(昭和二八年(オ)第七五五号同二九年一月一四日第一小法廷判決、民集八・一六頁、昭和二七年(オ)第一〇六九号同二九年七月二二日第一小法廷判決、民集八・一四二五頁)。
二の判示は、原判決が被上告人(原告)の上告人に対し、昭和二二年六月中になした建物賃貸借解約申入によつて、本件賃貸借は同年一二月末日、六月の期間満了により終了したものと判示するに当り、賃貸借終了後である昭和二四年七月以降同二五年五月中迄の間に生じた事実を以て遡つて前記解約申入につき正当事由があるとするに帰する点を違法とする上告論旨を容れ、「思うに、凡そ被上告人が上告人に対してなした前記解約申入れにより、本件賃貸借が昭和二二年一二月末日有効に解除されたものとするためには、借家法一条ノ二にいわゆる正当な事由は、おそくも前記解約の申入のなされた昭和二二年六月当時において存することを要するものと解すべきであるから、前記原判示には、借家法一条ノ二の解釈適用を誤つた違法があるというべきである」としたものである。
(大場調査官)