大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和28年(あ)2482号 判決 1953年10月15日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人小沢茂の上告趣意は憲法違反をいうが、その実質は単なる訴訟法違反の主張であって、適法な上告理由に該当しない。(原判決が「本件控訴の趣意は……控訴趣意書の通りであるから、これを引用」するとしたことは、刑訴規則二四六条の要請を充たしたもので同条違反はない。本件において検察官が控訴の棄却を求めたことは、同条にいわゆる重要な答弁と認めることはできない。また捜査機関の嘱託に基く鑑定書(刑訴二二三条)には、裁判所が命じた鑑定人の作成した書面に関する刑訴三二一条四項を準用すべきものである。)

よって刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 真野 毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 岩松三郎 裁判官 入江俊郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例