最高裁判所第一小法廷 昭和28年(オ)1388号 判決 1954年4月08日
東京都台東区浅草松葉町一一八番地
上告人
佐野保一
同都墨田区吾嬬町西二丁目一五番地
同
中野きし
同所同番地
同
荒井久子
右三名訴訟代理人弁護士
瀬尾蔵治
同都千代田区神田錦町三丁目一八番地
被上告人
武州製袋株式会社
右代表者代表取締役
野平馨
右当事者間の執行異議事件について、東京高等裁判所が昭和二八年一二月一〇日言渡した判決に対し、上告人等から全部破棄を求める旨の上告申立があつた。よつて当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人等の負担とする。
理由
論旨は、「原判決は事実を誤認し、擬律の誤謬あるのみならず実験則及採証の法則に違背し不当に事実を認定したもので到底破棄を免れない。」というだけで具体的に上告理由を示めさず上告適法の理由とは認められず、また、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 岩松三郎 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎)