最高裁判所第一小法廷 昭和29年(あ)2091号 決定 1954年9月30日
本籍
神奈川県足柄下郡岩村六〇五番地
住居
小田原市新玉二丁目三八八番地
弁護士
青木逸郎
大正二年七月二日生
右公職選挙法違反被告事件について、昭和二九年四月二七日東京高等裁判所の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人楠武治郎の上告趣意第一点は、違憲をいうも、結局量刑の非難に帰し、同第二点は、単なる法令違反(そして、原判決の維持した第一審判決は、所論とは異り、金銭供与罪と立候補届出前の選挙運動とを一個の行為にして数個の罪名に該るものとしたもので、所論の法令違反は認められない。)、量刑不当の主張であつて、いずれも、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 岩松三郎 裁判官 入江俊郎)