最高裁判所第一小法廷 昭和30年(あ)1613号 決定 1955年12月08日
主文
本件上告を棄却する。
理由
被告人等の上告趣意は違憲をいうけれど、風俗営業取締法三条は、所論のように狭義に解すべきではなく、都道府県がいわゆる風俗営業の場所、営業時間及び営業所の構造設備のみならず、広くこの種営業に関し、善良の風俗を害する行為を防止するために必要な制限を、条例を以て定め得ることを規定したものと解するを相当とするから、所論長野県風俗営業取締法施行条例一八条一号において、遊技場(右取締法一条三号の営業)の営業者又は従業者が賭博に類似する行為、その他著しく射倖心をそそるような行為をし又はさせてはならない旨を定めたからとて、これを目して右取締法三条所定の範囲を逸脱したものということはできないのであって、所論はその前提を欠き、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 岩松三郎 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎)