最高裁判所第一小法廷 昭和30年(オ)92号 判決
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〔要旨〕罹災都市借地借家臨時処理法第二条にいう「換地」とは、都市計画法又は特別都市計画法に基く土地区画整理によつて、従前の土地に換えて交付される土地を指すものと解するを相当とする。
〔説明〕原告(被上告人)はA地の所有権に基き、右地上に家屋を所有する被告(上告人)に対し、建物収去土地明渡を訴求し、被告は右土地の占有は正権原に基くものと抗争する。原審は被告の右抗弁につき、被告が原告の前主である甲から甲がその所有するB地上に所有する家屋を賃借居住中、右家屋が昭和二〇年七月戦災により焼失したので甲の承諾を得て右家屋の敷地上に建物を建築居住していたが、甲は同年中乙との間に乙所有のA地と記前B地とを交換し所有権移転登記を了したので被告はB地上の所有家屋をA地上に移築し所有権保存登記を了したので被告はB地上の所有家屋をA地上に移築し所有権保存登記を了し、原告はその後において甲からA地の所有権を譲受けた事実を確定した上、被告が罹災建物の敷地であるB地に家屋を建築し右B地を使用してもB地の賃借権を取得するものではない。又賃借権を取得したとしても、B地の所有権を取得した乙に対抗しうるは格別、A地については甲にこれを対抗しえないと判示して被告の抗弁を排斥して原告の請求を容認した。被告から上告して、罹災建物の敷地に家屋を建築所有した被告のB地に対する賃借権を否定した原判決は、戦時罹災土地物件令の解釈を誤つた違法があり、被告は右賃借権に基き罹災都市借地借家臨時処理法第二条により、交換によるB地の換地である本件A地につき賃借権を有するものであると主張したが、最高裁は次のように判示して上告を棄却した。
「上告人が賃借居住していた家屋の罹災後、その敷地B地に建物を建築所有していたことは原判決の確定するところであるから、上告人は戦時土地物件令四条一項の規定による右敷地の使用者と認められ、従つて同条二項の規定による賃借権者と認むべきこと論旨の指摘するとおりである。そして物件令による賃借権者は罹災都市借地借家臨時処理法三二条により滅失建物の敷地又はその「換地」の所有者に対し、建物所有の目的で賃借の申込ができる筋合であるが、同法二条にいう「換地」とは当時施行の都市計画法又は特別都市計画法に基く区画整理によつて従前の土地に換えて交付される土地を指すものと解すると相当とする。本件A地は甲が乙との交換契約によりB地の代りに取得したものに外ならないから、これを同法条にいう「換地」といいえないこと明白であり、従つて前記物件令の解釈上の過誤も、A地についてなされた原判決の主文を左右するものでない」。
(大場調査官)