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最高裁判所第一小法廷 昭和33年(オ)577号 判決 1958年12月18日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人伊藤亀久二の上告理由第一点について。

本件異議申立書の記載および弁論の全趣旨に徴して、右異議申立の趣旨は、選挙の効力を争うと同時に、予備的に当選の効力に関する異議申立をも含むと解するを相当とし、この点に関する原審の判断は是認できる。それ故、所論は採るを得ない。

同第二点について。

所論は結局原審の証拠の取捨、事実の認定を非難するに帰する。しかし、原審の認定は、挙示の証拠によりこれを是認することができる。そして右事実認定に基いてした原審の判断は正当であつて、所論は採るを得ない。

同第三点について。

公職選挙法二〇九条の二の規定は、同法において特に設けられた規定であり、これを適用又は準用する旨の特別の規定をまたずして、同法によらない本件のごとき選挙に、条理上当然準用があると解することはできない。そして、土地改良法、同施行令等の法令に、右条項を適用又は準用すべき特別の規定は何ら存しないのであるから、本件選挙に公職選挙法二〇九条の二の準用ありとの所論は採ることを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 高木常七)

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