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最高裁判所第一小法廷 昭和39年(オ)1041号 判決 1966年10月06日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人旦良弘、同猿谷明の上告由理第一点について。

所論受託契約準則三条が商品取引所法九六条に基づいて東京穀物商品取引所によつて定められたものであること、同法同条一項において商品仲買人は商品市場における売買取引の右受託契約準則に従わなければならない旨が定められていることは、所論のとおりであるが、同法条の趣旨とするところは、商品市場における売買取引の公正の確保と委託者の保護をはかるにあると解せられ、同条に基づいて商品取引所が定める受託契約準則は、これに準拠しないでなされた受託契約であつてもその効力に消長をきたさないと解するのを相当とする(最高裁判所昭和三九年(オ)第一一三一号同四〇年五月四日第三小法廷判決、裁判集民事七九号三九頁参照)。従つて、これと異なる見解を前提として原判決の審理不尽、理由不備をいう論旨は、すべて採用できない。

同第二点について。

所論受託契約準則三条の規定によつて商法、民法の代理に関する規定の適用が排除されるという所論は、独自の見解であつて採るをえない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(長部謹吾 入江俊郎 松田二郎 岩田誠)

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