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最高裁判所第一小法廷 昭和40年(オ)98号 判決 1967年9月07日

上告人

曾我部弥寿郎

被上告人

香川金融株式会社

右代理人

松本茂

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人の上告理由第一点、第二点について。

所論の点に関する原審の事実認定は挙示の証拠により是認できる。所論は、ひつきよう原審の裁量に属する証拠の取捨判断および事実の認定を非難するに帰し、採るを得ない。

同第三点について。

本件消費貸借については、上告人所有の不動産に対し抵当権を設定する約束であつたこと、そして、上告人の負担すべき被上告人の事務員の登記手続等をするための旅費日当金一、〇〇〇円、登記抄本代金一五〇円を本件消費貸借の元金から差し引いたことは、原審が適法に確定した事実である。そうすれば、右登記手続等の旅費日当、登記抄本代は、利息制限法三条但書にいう契約の締結の費用と解するのが相当であり、これは元本額から控除すべきではなく、これと同趣旨の原判決には所論の違法はない。所論は採るを得ない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条にしたがい、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(入江俊郎 長部謹吾 松田二郎 岩田 誠 大隅健一郎)

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