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最高裁判所第一小法廷 昭和42年(あ)361号 決定 1968年1月18日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人平山信一の上告趣旨は、判例違反を主張するが、引用の各判例は本件と事案を異にして適切でないから所論は前提を欠き、その余は単なる法令違反、事実誤認の主張であって適法な上告理由に当らない(本件のように、「人の噂であるから真偽は別として」という表現を用いて、公務員の名誉を毀損する事実を摘示した場合、刑法二三〇条ノ二所定の事実の証明の対象となるのは、風評そのものが存在することではなく、その風評の内容たる事実の真否であるとした原判断は、相当である。)。

よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項本文により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 松田二郎 裁判官 岩田 誠 裁判官 大隅健一郎)

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