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最高裁判所第一小法廷 昭和45年(あ)687号 決定 1970年11月26日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人尾崎昭夫の上告趣意のうち、判例違反を主張する点は、引用の判例は本件と事案を異にして適切でないから、所論はその前提を欠き、その余は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不当の主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない(なお、原判決の是認した第一審判決は、その認定した横張靖行および中田邦彦に対する業務上過失傷害の事実に関する法令の適用として、刑法二一一条前段、罰金等臨時措置法三条一項一号のほか、刑法五四条一項前段、一〇条を示しているだけで、右両名のうちいずれに対する罪の刑が最も重い刑であるかを明示していないことは、所論のとおりであるが、右のように数個の罪の法定刑が同一である場合には、そのいずれの罪の刑が最も重いかを明示しないで一罪として処断することは、必ずしも違法とはいえない。)

よって、同法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項本文により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 岩田 誠 裁判官 大隅健一郎 裁判官 藤林益三)

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