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最高裁判所第一小法廷 昭和47年(行ツ)25号 判決 1975年8月06日

上告人 日本金網商工株式会社

被上告人 国 ほか一名

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人松浦武、同谷正道、同武藤知之の上告理由第一点について。

所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は、独自の見解に基づいて原判決を非難するものであつて、採用することができない。

同第二点について。

換地処分前の替費地の売買により買主が取得する権利(替費地の使用収益権)は、所有権に準ずる一種の物権的支配権と解すべきものであるが、右権利は、換地処分により将来替費地の所有権を取得することを前提としてそれまでの間暫定的に認められるものにすぎないのであるから、土地区画整理組合が解散し買主が換地処分により替費地の所有権を取得することができなくなつたときは、当然消滅するものと解するのが相当である。

原審が確定した事実によれば、組合は解散し、上告人が本件土地の所有権を取得することは不可能となつたというのであるから、本件土地についての上告人の使用収益権も消滅したものというべきであり、右使用収益権を有することを前提として、本件訴えの利益を有するとする所論は失当である。右と結論を同じくする原審の判断は、結局正当であつて、論旨は採用することができない。

よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判官 藤林益三 下田武三 岸盛一 岸上康夫 団藤重光)

上告理由<省略>

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