最高裁判所第一小法廷 昭和48年(オ)930号 判決 1974年2月28日
旧商号川上木管株式会社
上告人
川上電材株式会社
右代表者
林功夫
上告人
林功夫
右両名訴訟代理人
前川澄
犀川季久
被上告人
第一実業株式会社
右代表者
河上敏雄
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理由
上告代理人前川澄、同犀川季久の上告理由第一点について。
所論の点に関する原審の認定判断は、原判決の挙示する証拠関係に照らして首肯するに足り、その過程に所論の違法はない。それゆえ、論旨は採用することができない。
同第二点について。
株式会社の代表取締役が、その職務を行なうにつき不法行為をして他人に損害を加えたため、右株式会社がその賠償の責に任ずる場合には、右代表取締役も、個人として不法行為責任を負うものと解すべきであるから、原審の適法に確定した事実関係のもとにおいては、上告会社の代表取締役である上告人林は、被上告人に対し、個人として被上告人の被つた損害を賠償する義務があるものというべく、これと同趣旨の原審の判断は正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(下田武三 大隅健一郎 藤林益三 岸盛一 岸上康夫)
<上告理由省略>