最高裁判所第一小法廷 昭和54年(オ)908号 判決 1982年11月04日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告人の上告理由について
所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして是認することができ、右認定の事実関係のもとにおいては、本件約定書二条の規定に基づき上告人の当座預金残高を上告人の別段預金口座に振り替えた被上告人桐生支店の処置に不当はなく、したがつて本件小切手の支払に関して被上告人に債務不履行の責任を問うべき余地はないとした原審の判断も正当というべきである。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する事実の認定を非難し、また、原審において主張しない事実に基づき、又は独自の見解に立つて原判決の不当をいうものであつて、いずれも採用することができない。
(裁判長裁判官 中村治朗 裁判官 裁判官 団藤重光 裁判官 藤崎萬里 裁判官 谷口正孝 裁判官 和田誠一)