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最高裁判所第一小法廷 昭和59年(オ)12号 判決 1986年5月29日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告人東洋物産株式会社代表者兼上告人昆野卓、同黒田勇の代理人張有忠の上告理由第一について

所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯するに足り、右事実関係のもとにおいて、被上告人と上告人東洋物産株式会社との間に成立した本件取引が金地金の先物取引を委託するものであり、かつ、著しく不公正な方法によつて行われたものであるから公序良俗に反し無効であるとした原審の判断は、本件取引に商品取引所法八条に違反するところがあるか否かについて論ずるまでもなく、正当として是認することができる。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は原判決の結論に影響しない点をとらえてその違法をいうものであつて、採用することができない。

その余の上告理由について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是正することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立つて原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 谷口正孝 裁判官 高島益郎 裁判官 大内恒夫)

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