最高裁判所第一小法廷 昭和60年(オ)1124号 判決 1987年7月02日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人吉永多賀誠の上告理由第一点及び第二点について
主たる債務者が破産宣告を受けた場合において、債権者が当該債権の全額について破産債権の届出をしたときは、保証人は、破産宣告後に当該債権につき一部弁済をしても、債権者が当該債権の全額について満足を得ない限り、弁済の割合に応じて債権者の権利を取得することはできないものと解するのが相当である(最高裁昭和六〇年(オ)第五八九号同六二年六月二日第三小法廷判決参照)。以上に述べたところと同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、採用することができない。
同第三点について
原判決に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、判決に影響を及ぼさない事項又は原審において主張しない事項に基づいて原判決を論難するものであつて、採用することができない。
(裁判長裁判官 大内恒夫 裁判官 角田禮次郎 裁判官 高島益郎 裁判官 佐藤哲郎 裁判官 四ツ谷 厳)