最高裁判所第一小法廷 昭和62年(オ)491号 判決 1988年2月25日
上告人
三愛貿易株式会社
右代表者代表取締役
青木武弘
右訴訟代理人弁護士
柳沼作巳
被上告人
社団法人 日本健民厚生協会
右代表者理事
浦田勇太郎
右訴訟代理人弁護士
樋渡洋三
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人柳沼作巳の上告理由について
不動産の引渡命令の発付を受けた買受人が当該不動産を第三者に譲渡したとしても、引渡命令の相手方は、右買受人に対して提起する引渡命令に対する請求異議の訴えにおいて、右譲渡の事実をもつて異議の事由とすることはできないものと解するのが相当である。これと同旨に帰する原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、独自の見解に基づいて原判決を論難するか、又は判決の結論に影響のない原判示部分の違法をいうものにすぎず、採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官四ツ谷巖 裁判官角田禮次郎 裁判官髙島益郎 裁判官大内恒夫 裁判官佐藤哲郎)
上告代理人柳沼作巳の上告理由<省略>