大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和22(れ)176 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人A上告趣意は「五月二十五日以降十二月二十七日ヲ以テ第卅一週ヲ修了ス

ルニ際シ茲ニ上告趣意書ヲ提出致マス到段階ニ於ケル顕潜在心理ハ私自身経験環境

過程ニ基キ綜合特殊哲学体系同理学原理ヲ認識シ更ニ自作交響曲「第一」接続曲「

憂悩」中央部ニ交響詩「求メン総ヘテヲ」ヲ有スル交響曲「第二」象徴ヲ客観視ス

ル(属高等次元再確認)究竟ヲ与ヘラレマシタ、従来ノ全行為ヲ回顧要約スレハ所

謂浪漫主義的傾向ヲ経続セルモノト断定セザルヲ得マセン将来現実ニ妥協セザル(

求全統一意慾ヲ喪失セサル)現実ニ覚醒シ理想実現(完全孝養齊家真如法為楽創造

音楽公表)ニ精励スル予定デス現在服役スルコトハ肯定致居マスガ公判ノ結果判決

執行猶予ヲ与ヘラレンコトヲチウ心ヨリ期待致シマス戦事思想ニ関スル聴取書記載

内容ノ人格的基礎ハ約翰伝某章竝比較文化推理ニ依ルモノデアリ犯罪動機トハ同等

ナラザル所以ヲ御了承下サイ」というにある。

所論は結局刑の執行猶予の判決を当裁判所に求めるというに帰する。しかし、上

告の理由があつて当裁判所が原判決を破毀して自判する場合に限つて当裁判所は刑

の執行猶予の判決をすることができるのみである。しかるに、被告人は他に何等首

肯するに足るような上告理由を述べず唯漫然と執行猶予を求めているに過ぎないか

ら、これでは上告適法の理由とはならない。

よつて、刑事訴訟法第四百四十六条に則り主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官安平政吉関与

昭和二十三年一月二十九日

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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