大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)1250 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人別府祐六の上告趣意について。

記録によれば、第一審において弁護人が中止犯の弁論をなしたこと、及び第一審

判決がその主張に対し、特別な判断を明示しなかつたことは、所論の通りである。

しかし第一審判決は右中止犯の主張とは全く相容れない障礙未遂の判示をしている

のであるから、これにより中止犯の主張を排斥したものであることは容易に了解し

得るところであつて、右判決に所論のような違法があるとはいい得ないのである。

従つて第一審判決に右の違法あることを前提とする論旨はこの点において既に理由

なきこと明白であるばかりでなく、控訴審は覆審であり第一審とは別個に新たに事

実の審理を為し判決をするのであつて、量刑その他殊に所論の未決勾留日数の算入

等については、独自の立場において自由にこれが裁定をなし得るのである。従つて

第一審判決に誤りがあり、それがために控訴の申立を誘発したような場合にあつて

は、もとよりその誤りを是正すると共に未決勾留日数の算入等において、これを斟

酌するところあつて然るべきであろうけれど仮りにかかる算入の措置に出でなかつ

たとしてもその一事を捉えて、直ちに違法であるとはいい得ないのである。加之本

件においては第一審判決が懲役八年の刑を言渡したのに対し、原判決はこれを軽減

し懲役七年の刑を量定しているのであるから結局被告人の控訴申立はその理由があ

つたこととなり、控訴申立後の未決勾留日数は旧刑訴第五五六条第一項第二号によ

り法定通算されるのであつて原審がこの点に関し裁定通算をしなかつたのは当然な

のである。

要するに原判決には所論のような違法はなく、論旨は理由なきものである。

よつて旧刑訴第四四六条に則り主文の通り判決する。

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この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 橋本乾三関与

昭和二四年二月二四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

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