大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)1358 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人金子文六上告趣意について。

原審第一、二回公判調書に審判が公開された旨の記載のないことは、所論のとお

りである。しかし、旧刑訴第六〇条第二項第四号には、訴訟手続の「公開を禁じた

るときは其の旨及理由」を公判調書に記載しなければならないことを規定している

が、手続を公開した旨を公判調書に特に記載しなければならないことは、何等規定

していない。されば、公判調書に公開を禁じた旨の記載がない限り、公判における

訴訟手続は、公開して行われたものと認めるのが相当であつて、特に公開した旨を

明記しなくても憲法違反とならないことは、既に最高裁判所の判例として示してい

るところである。(昭和二二年(れ)第二一九号同二三年六月二三日大法廷判決)。

それ故所論の原審第一、二回公判調書に公開した旨の記載がないからといつて、そ

の公判手続が公開されずに行われたものとはいえないから、論旨は理由がない。

少数意見

裁判官真野毅の少数意見は左のとおりである。

新憲法の下においては訴訟事件の審理及び判決が公開法廷で行われたことは、公

判調書に記載されることを要する。

その詳細の理由は、前掲判例中に掲げた少数意見において述べているとおりであ

る。しかし、本件において第一回公判調書によれば「検事酒井正己立会公判を開廷

す。被告人は公判廷において身体の拘束を受けず」との記載があり、第二回公判調

書によれば「列席して公判を開廷した。被告人は公判廷で身体の拘束をうけない」

との記載があり、そして他に特別の記載がないのであるから、本件審判が現実に公

開された法廷においてなされたことは、十分認めることができる(前掲少数意見に

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おける理由参照)。論旨は、それ故に理由がない。

よつて旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は、理由に関する少数意見を除き、裁判官全員の一致した意見である。

検察官 十蔵寺宗雄関与

昭和二四年二月二四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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