大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)254 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人A弁護人高垣憲臣上告趣意第一点について。

しかし酌量減軽の事由である憫諒すべき情状は罪となるべき事実ではないから証

拠に依りこれを認めた理由を示す必要はない。それ故これを示さなかつたからと言

つて所論の違法ありといえない。しかのみならず犯情重き相被告人が酌量減軽を受

け犯情軽き上告人がこれを受けないとの理由で相被告人に対する酌量減軽事由の説

示に瑕疵ありとする所論は上告本人の為にする適法な上告理由とならない。論旨は

採るを得ない。

同第二点について。

しかし所論の勾留が仮りに論旨のいうように違法であるとしても、それがため当

然に本件原判決が違法であるとはいえないから、その違法は、原判決に影響を及ぼ

さないこと明白である。所論は刑訴第四一一条により、上告適法の理由とならない。

被告人B弁護人大政満の上告趣意について。

しかし原判決の判示した強盗殺人未遂の事実は被告人並びに相被告人の原審公判

廷における供述の外被害者Cの原審公判廷における判示に照応する被害顛末の供述

及び同人の傷害の部位程度に関する医師の診断書の記載を綜合して認定したもので、

所論のように被告人の自白のみに基いて認定したものではない。そしてその判示事

実はその挙示の証拠で肯認し得るから原判決には所論のような審理上の違法はない。

また、事実誤認の主張は適法な上告の理由とならないから論旨はすべて採用するこ

とができない。

よつて刑訴第四四六条により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

- 1 -

検察官 下秀雄関与

昭和二三年六月一七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!