大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)516 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人上告趣意について。

刑法第四二条は、「罪ヲ犯シ未ダ官ニ発覚セザル前自首シタル者ハ其刑ヲ減軽ス

ルコトヲ得」と定めているのであつて、裁判所に常に減軽すべきことを命じている

のではない。されば、この自首による減刑は、事実審である原裁判所の適当自由な

裁量に属する問題である。すなわち、自首の事実を認めるか否か、又自首を認めて

も刑を減軽するか否か、又いかなる程度に自首減軽を認めるかは、事実審の裁判所

が事件の性質、態様その他諸般の事情を斟酌して自由裁量により決定すべき事柄で

ある。それ故、たとえ自首減刑の情状のあるにかかわらず原審が減刑を行わなかつ

たとしても、上告理由としての法令違反とはならないのである。従つて、本件上告

は理由がない。(本件において司法警察吏の報告書によれば、昭和二二年八月三一

日被害者から警察に被害の届出がなされたので捜査中被告人がその犯人なること判

明し、九月五日自宅に立廻つたのを発見取調べたところ共犯者等の氏名を自供した

旨が記されており、又被告人に対する司法警察官の聴取書によれば、「新聞紙上デ

私等悪事ノ記事ガ出テヰテ、刑事サンガ私宅ニモ捕エニ見エタコトヲ兄カラ聞キ、

悪イ事ヲシテ仕舞ツタト後悔シテヰタノデスガ、九月五日ニコノ詐欺ノ事件デ兄ニ

連レラレ御署ニ出タノデスガ、オ調ベヲ受ケ事実ヲハツキリシテ頂イタ上共犯者ト

ノ関係モアツテ緊急逮捕ノ処分ヲ受ケタノデアリマス」と記されている。これらの

何れによつても、被告人の自首は犯罪が警察に発覚した後になされたものであつて、

前記法条の「罪ヲ犯シ末ダ官ニ発覚セザル前自首シタル者」には該当しないから、

原審は自首減軽を認めなかつたのであろう)。

よつて刑訴第四四六条に従い、主文のとおり判決する。

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この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 安平政吉関与

昭和二三年八月五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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