大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)953 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人手代木隆吉上告趣意について。

しかし「所論の単に被告人の身柄を不当に長く拘束したことが仮に憲法第一三条

の法意に違背あることになるとしてもそれは刑訴法第四一〇条列記の事由にもあた

らないしその他原判決に何等影響を及ぼすものとは認められないから、上告適法の

理由とはならない。 銃砲等所持禁止令は連合国総司令部の占領政策実施の必要に

基き特に制定された重要な法令であるからこれに違反する行為は決して軽視するこ

とを許されない。そして仮りに論旨に縷述するような諸種の事情があるとしても原

審が被告人に対して執行猶予を言渡さなかつたことをもつて実験則に反する法令違

背ありと認むべき程度のものではない。犯罪に対し特に実刑を科するもそれが憲法

第一三条に違背するものといえないことは当裁判所の判例とするところである。(

昭和二二年(れ)第二〇一号同二三年三月二四日宣告大法廷判決参照)。又原審が、

被告人に対して懲役三月の言渡をしたのは法令において許された範囲内で量定した

のであつて刑の執行猶予を言渡さなかつたがために右刑が被告人の側から観て過重

の刑であるとしても直ちに所論のごとく憲法第三六条にいわゆる残虐な刑に当らな

いことは当裁判所の判例とするところである(昭和二二年(れ)第三二三号同二三

年六月二三日宣告大法廷判決参照)。更に刑の執行猶予を言渡すかとうかは事実裁

判所である原審の自由裁量権に属するところであることもまた当裁判所屡次の判決

の示す通りである。されば原審が被告人に対して刑の執行猶予の言渡をしなかつた

からといつて刑法第二五条に違背するものとはいうことを得ない。所論は結局事実

裁判所である原審の自由裁量権に属する刑の量定を非難するに帰するから採用する

ことはできない。」

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よつて刑訴第四四六条に従ひ主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 下 秀雄関与

昭和二三年一〇月二一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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