大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和23(オ)27 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

原判決は、本件物置及び宅地について、昭和一七年中被上告人と上告人本人との

間に対価として野菜類を交付することとし使用の話合ができたという上告人の主張

を、適法な証拠によつて全面的に否定しているのである。それ故、上告人の上告理

由は、結局原判決の認定に副わない事実を主張するに帰する。所論の被上告人が前

記物件について上告人の管理人亡Dの承認を得て使用を始めたことは、野菜類を対

価とする賃貸借の話合の成立するに至る事情としての主張にすぎないからこれにつ

いて特に事実認定をする必要がないばかりでなく、この点に関する被上告人側の証

人の証言等は信用できないと判断が示されている。また野菜類の供与が対価として

交付された事実が明らかに否定されている限り、賃貸借存在の抗弁は否定されたわ

けである。記録上では弁論の全趣旨によつても、この点に関する被上告人の抗弁は

賃貸借であつて、使用貸借の抗弁は認めることはできない。されば、論旨はいずれ

の点より見るも採用することを得ない。

よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官沢田竹治郎は退官につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!