大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24新(れ)369 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人大橋茹、同齋藤壽上告趣意について。

第一審判決の認定した事実によれば、被告人は福井県高志地方事務所雇として同

所経済課配給係に勤務し、同係主任Aの指揮監督の下にその業務上保管にかかる衣

料切符用紙を判示のとおり擅に処分したというのである。すなわち被告人は主任A

の「補助として」判示業務に従事していたのであるが、所論のように単に「事実上

其手伝をしてるに過ぎない」ものではなく、所論の衣料切符用紙も主任Aとは独立

してその責任において業務上保管していたとの事実を認定しているのである。しか

もこの事実認定は、第一審判決挙示の証拠に照らしこれを肯認するに難くないので

ある。従つて第一審判決が被告人の業務上保管にかかる衣料切符用紙を擅に処分し

た判示所為を、業務横領罪に問擬したのは当然といわざるを得ない。そして原判決

も亦右と同旨の見地に立つて第一審判決を是認したものであることはその判文に照

らし明らかである。されば論旨は判例違反の主張をするけれども、被告人が所論衣

料切符用紙を自ら占有保管していなかつたことを前提とするものであり、原判旨に

副わない主張をなすものでなければ、原審の事実認定を非難するに帰着し刑訴四〇

五条所定の上告適法の理由に該当しない。そして本件は刑訴四一一条を適用すべき

場合とも認められない。

よつて刑訴四一四条三八六条一項三号に従い主文のとおり決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二六年三月二二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

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裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

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