大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)1066 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人三輪寿荘上告趣意第一点について。

原判決が判示第一事実を認定した証拠としてA、Bに対する各司法警察官の聴取

書中判示第一に照応する窃盗事実の各供述記載を挙げていること並びに記録中に右

両名に対する聴取書と題する書類の存在しないことは所論のとおりである。しかし、

本件記録中に右両名に対する司法警察官の訊問調書と題する書類が存在しその調書

には判示第一に照応する窃盗事実の各供述記載が存するから右の「聴取書」とある

のは「訊問調書」の誤記であること明白である。されば、原判決の証拠説明は、証

拠の標目の表示の誤りに過ぎないもので、これを以て虚無の証拠を断罪の資料に供

したものとはいえない。それ故に、所論は、採ることができない。

同第二点について。

しかし判決裁判所の公判廷における自白は、憲法三八条三項の「本人の自白」中

に含まれないことは、当裁判所大法廷の確立した判例である。そして、被告人は、

昭和七年四月二日生の少年ではあるが、原審公判廷には有力な弁護人も在廷してそ

の面前でなされた自白に何等の異議もとどめなかつたのであるから、右判決理由に

照てもその判例を変更する必要を認めない。所論はそれ故に採ることができない。

同第三点について。

しかし、記録によれば、原審弁護人豊田求は、所論原審第二回公判期日の外回第

一回公判期日においても、すべて適法な召喚状の送達を受けながら、いずれも故な

く出頭しないこと明白であるから、原審がその弁論を聴かないで弁論を終結したか

らといつて、不法に同弁護人の弁護権の行使を制限したとはいえない。本論旨も採

ることができない。

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よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は自白に関すする沢田裁判官の反対意見を除くの外裁判官全員一致の意

見である。

検察官 長部謹吾関与

昭和二四年一二月二二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 齊 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

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