大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)1612 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人星宮克已上告趣意第一点について。

しかし、憲法第三七条第二項は被告人又は弁護人からした申請に基きすべての証

人を喚問し不必要と思われる証人までをも悉く訊問しなければならぬという訳でな

く、証人申請の採否は当該裁判所に実験則に反しない限りにおいてその裁量にまか

されていることがらであることは当裁判所の判例とするところである。(昭和二三

年(れ)第二三〇号同年七月二九日大法廷判決参照)。そして、所論の弁護人申請

の証人等は被告人との間に共犯関係その他所論のような事情があるとしても、つぶ

さに本件の事案を通観考慮するときは原審が所論証人等の訊問を必要としないもの

と認めたことは容易は首肯されうるところであつて、その問実験則に反する違法も

存在しないから、原審が所論証人申請を却下したからといつて、原判決には所論の

ような憲法違反のかどあるものとはいえない。それ故論旨(一)は理由がない。

次に憲法第三七条第一項の「公平なる裁判所の裁判」というのは構成其の他にお

いて偏頗の惧なき裁判所の裁判という意味であることは当裁判所の判例とするとこ

ろである(昭和二二年(れ)第一七一号同二三年五月五日大法廷判決参照)。され

ば原審が本件弁護人申請の証人を喚問しなかつたことが被告人から見て公平な措置

でないと思われたからといつて、原判決には同条項違背のかどあるものとはいえな

い。それ故論旨(二)も亦理由がない。

同第二点について。

しかし、原判決の挙げている証拠を綜合すれば、原判決の認めている本件強盗共

謀並びに実行の事実、就中その際被告人が見張りをした事実を肯認することができ

る。されば原判決は所論の如く証拠に基かないか若しくは審理を尽さなかつた違法

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があるとはいえない。所論は結局原審の裁量権に属する証拠の取捨乃至判断を非難

するものであるから、上告適法の理由とはならない。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 長部謹吾関与。

昭和二四年九月一五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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