最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)1725 判決
主 文
原判決を破棄する。
本件を名古屋高等裁判所金沢支部に差戻す。
理 由
弁護人深井龍太郎、同大山菊治の上告趣意第一点について。
原判決が原判示被告人の殺人の事実を認定する証拠として、所論摘示の各証拠を
挙げていることは、所論のとおりである。そして、記録を精査してもその挙示の証
拠中少くとも被告人並びにAに対する検事の各聴取書については原審においてこれ
が証拠調をした形跡はこれを見出すことができない。そして右各検事の聴取書中の
原判決挙示の供述記載は、前記認定に重要な証拠であつて、これなくして原判示事
実認定を肯認することができないものと認あられるから、本論旨は、その理由があ
つて、原判決は破棄を免れない。
よつて、爾余の論旨につき判断を省略し、なお前記違法は事実の確定に影響ある
ものと認められるから、旧刑訴四四七条、四四八条の二に従い、裁判官全員一致の
意見で主文のとおり判決する。
検察官 小幡勇三郎関与
昭和二七年一二月二五日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 岩 松 三 郎
裁判官 真 野 毅
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官沢田竹治郎は退官につき署名捺印することができない。
裁判長裁判官 岩 松 三 郎
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