大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)1921 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人A、同B、同C、同Dの弁護人中村幸逸の上告趣意第一点について。

所論原判示第二の(一)(イ)、第三の(一)及び第四の(三)の各偽造公文書

の行使は、それぞれ包括一罪と認定したものと認められるし且つ同判示の公文書の

偽造は、同行使との間に牽連の関係があるものと判示され結局偽造と行使とを通じ

て一罪に帰着するのであるから、その一罪の一部に当る所論の点を起訴状に記載し

なくとも審判の範囲に属すること論を俟たない。また、所論原判示第二の(一)(

ロ)及び第三の(二)の丙票は、甲、乙各票と同時に偽造されたものと認定判示し

ているのであるから、その一罪の一部である丙票の偽造の点について起訴がなくと

も審判を為しうるものであることこれまた論を俟たない。それ故、所論は採用でき

ない。

同第二点について。

しかし、原判決は、判示第三の(一)の偽造並びに行使の行為を被告人Aに対し

ては勿論、その以外の相被告人に対する関係においても夫々一個の行為にして数個

の罪名に触れるものとはしていない。それ故、所論は、既にその前提において採用

できない。

Eの弁護人阿部甚吉、同今井常一の各上告趣意第一点について。

しかし、原判決挙示の証拠によれば、Eの共謀その他原判示第三の事実認定を肯

認することができるから、原判決には所論の違法を認めることはできない。

同第二点について。

しかし、原判決は、判示第三の(三)として、判示貨物係員に対し判示甲片、乙

片を真正に成立したものゝように装い一括交付して同係員をして判示のごとく誤信

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せしめ、a駅長保管の下にあつた判示タイヤー、チユーブをF株式会社大阪支社係

員に交付させて騙取したる旨判示しており、該物件を所論のごとく車票並びに貨物

通知書を行使して荷送人及び荷受人の占有から離脱せしめたとは認定判示していな

いのである。されば、原判決が右の判示事実に対し詐欺罪の法条を適用したのは正

当であつて、所論のごとき不法は存しない。

よつて、旧刑訴四四六条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

検察官 長部謹吾関与

昭和二七年一二月二五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官沢田竹治郎は退官につき署名捺印することができない。

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

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