大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)1992 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人末国雅人上告趣意について。

原審における所論弁論要旨の主張事実が、仮りに期待可能性がないとの主張であ

りとし、かつ期待不可能の主張が刑訴三六〇条第二項に該当するものとしても、こ

れに対する判断の判示方法は、必ずしも常に弁護人の主張事実をまともに掲げてこ

れに対し直接的に判断を示す方法を採ることを要するものではなく、弁護人の主張

する事実に関し却つて反対の事実を認定して、間接的に主張否定の判断を示す方法

を採ることも差支えがないと言わねばならぬ。そこで、所論は、A、Bの両名は「

被告Cが船にいて知らぬ問に臓物を運んで来りこれを運搬したのであるから、既に

Cが船中で怪しいと気付いてもこれを傍観する以外他にとるべき方法はないのであ

る」だからかかる場合被告人Cに期待可能性がないと言う主張である。しかし、こ

れに対し原判決は、原審公廷における「臓物であることを知つたのは船が出てから

である」との言訳を認めず、却つて証拠によつて船を出す当初から被告人Cは臓物

である情を知つていた事実を認定したのであるから、弁護人主張の期待可能性がな

いとの点については原判決中に判断が示されている。論旨は、それだから理由がな

い。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 長部謹吾関与

昭和二四年一二月二二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

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裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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