最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)2061 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
被告人の上告趣意について。
原判決の事実認定は、原判決挙示の証拠に照らし、これを肯認するに難くないの
である。そして右認定の一資料とされた被告人に対する検察事務官の聴取書中の供
述が、論旨の主張するように強要されたものであるということは、記録上これを認
むべき何等の証跡も存在しないのである。又被告人が原審においてA某を証人とし
て喚問すべきことを求め、原審がその申請を却下したことは、原審公判調書の記載
により知り得るのであるが、憲法三七条二項の規定は事案の判断に不必要な関係人
までもそれを証人として尋問すべきことを定めたものではなく、事実審裁判所は各
場合における証拠関係の実状等に鑑み合理的に証拠調の限度を裁定し得るものとい
わざるを得ない。この事は当裁判所大法廷の判例とするところである。(昭和二三
年(れ)二三〇号同年七月二九日大法廷判決判例集二巻九号一〇四五頁参照)原審
が右証人喚問申請を却下したのも、かかる証拠調を案件の判断上不必要と認めた結
果に外ならないと思われるのであり、しかも原審のこの証拠調の限度に関する裁定
はその審理の全貌に鑑み首肯するに難くないのである。されば論旨の中憲法違反に
関連する所論は採用に値しないところであり、又その他の所論は畢竟事実審たる原
審の裁量権に属する事実の認定又は刑の量定を非難するに帰着し上告適法の理由と
なすに足りない。
よつて旧刑訴四四六条に従い主文の通り判決する。
この判決は裁判官全員一致した意見である。
検察官 小幡勇三郎関与
昭和二四年一〇月二〇日
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最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 岩 松 三 郎
裁判官 沢 田 竹 治 郎
裁判官 真 野 毅
裁判官 斎 藤 悠 輔
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