大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)2100 判決

主 文

原判決を破棄し本件を大阪高等裁判所に差戻す。

理 由

弁護人河上丈太郎同美村貞夫の上告趣意第一点について。

記録を精査するに、原審で本件につき実質的に審理がなされたのは、原審第一

回及び第三回の公判期日であるが、その第三回公判調書には「裁判長の為した証拠

調並に証拠調に対する被告人の意見弁解利益の証拠申出の有無は総て第一回公判調

書記載と同一であるから茲に引用する」とあり、そしてその第一回公判調書におい

て証拠調のなされた証拠として特に列記されているものは論旨摘録の通りであつて、

所論Aに対する検事の聴取書は掲記されていない。その他原審公判審理の間におい

ても、被告人に対し該聴取書が読み聞けられ展示されその意見弁解の求められたこ

とを窺い得べき証跡は存在しないのである。されば右聴取書について原審公判にお

いて適法に証拠調のなされたことを認むるに由なきものといわざるを得ない。然る

に原審が判示第二の二の事実認定の資料として右聴取書を援用していること判文上

明白であるから、原判決には適法の証拠調を経ない証拠にもとずいて事実認定をし

た違法があるというべきであり、論旨は理由がある。そして原判決は判示第二の(

二)の犯罪とその他の判示犯罪とは想像的数罪及び連続犯の関係あるものとして結

局物価統制令違反罪の刑に従つて被告人を処断しているのであるから前示法令違反

は判決全部に影響があり、この点において原判決は全部破棄を免れない。

よつて他の論旨に対する説明を省略し旧刑訴四四七条四四八条ノ二に従い主文の

通り判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 小幡勇三郎関与

昭和二五年一月一九日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

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