大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)2311 判決

主 文

原判決を破棄する。

被告人を判示(一)の恐喝罪につき懲役六月に、判示(二)及び(三)

の恐喝罪につき懲役一年に処する。

原審の未決勾留日数中一八〇日を右懲役一年の刑に算入する。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

原判決の挙げている証拠によれば、原判決の認定した恐喝の事実を肯認すること

ができる。論旨は、その事実はすべて真実でないと主張するに過ぎないのである。

それ故法律審である当裁判所では採用することができない。

しかし職権を以て調査すると、被告人は、昭和二三年七月二三日千葉地方裁判所

で横領並に窃盗罪により懲役一年(三年間執行猶予)の判決を言渡され、その判決

は上訴期間の経過により同年同月三〇日確定したものである。従つて原判決の確定

した判示(一)の恐喝罪は右確定判決のあつた横領並びに窃盗の罪と併合罪の関係

があるけれども右確定判決後の判示(二)及び(三)の恐喝罪とは併合罪の関係に

あるものでないことは刑法四五条の規定に照らし明らかである。しかるに、原判決

は、判示(一)乃至(三)の恐喝の所為をすべて併合罪として処断し被告人に対し

単一の刑を宣告したのは擬律錯誤の違法を犯したものといわなければならない。

よつて旧刑訴四四七条により原判決を破棄し同四四八条によつて直に判決をする

ものとする。そして、原判決の確定した事実によれば、被告人の判示(一)乃至(

三)の恐喝の所為は、いずれも刑法二四九条に該当するところ、前示確定判決があ

るから、判示(一)の所為については、同法五〇条によりその所定の刑期範囲内に

おいて被告人を懲役六月に処し、判示(二)(三)については同法四五条、四七条

本文、一〇条により犯情重いと認める判示(三)の所為に対する刑に法定の加重を

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した刑期範囲内で被告人を懲役一年に処し、同法二一条を適用し旧刑訴五三七条の

趣旨に従い原審における未決勾留日数中一八〇日を重き懲役一年の刑に算入するこ

とゝし主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 長部謹吾関与

昭和二五年二月一六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

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